孔鉉佑駐日中国大使が14日、日本主要報道機関14社の関係者らを招き座談会を開いた。台湾問題をめぐって「1つの中国」原則の厳守をメディア関係者に求めたほか、中国の情報を「正しく伝えるように」と圧力をかけた。
台湾海峡の危機が高まったことについて、孔大使は「米国側が恣意的に台湾海峡の現状を一方的に変えた」とした。台湾問題が中日関係にも影響を与えると述べ、「日本側も中日の4つの政治文書と他の約束を厳守し、『1つの中国』原則を着実に守らなければならない」と念を押した。
孔大使は、各メディアに対し「中日関係および中国発展の情報に引き続き注視し、正確に伝えるように」と要求した。
座談会に参加したメディア14社の社名は公表されていない。
台湾情勢をめぐり日中関係は悪化しつづけている。8月のペロシ米下院議長の訪台を受け、中国側は台湾を取り囲む形で、弾道ミサイルの発射を含む大規模な軍事演習を行なった。そのうちの5発が日本の排他的経済水域(EEZ)に着弾した。
また、今月に入って、中国はロシアと北方領土を含む極東地域で軍事演習を実施した。中国海軍の艦艇による日本の領海侵入は今年に入ってから7回、確認された。
日本では対中強硬姿勢を求める声があがっている。
中国と日本は今年、国交樹立50周年を迎える。中国側は友好ムードで関連行事を実施したい思惑があるが、日本メディアに雰囲気づくりを求める形となった。
いっぽう、SNS上では中国大使の言論は報道の自由への侵害と批判する書き込みが寄せられている。
孔鉉佑大使は昨年も日本メディア関係者を対象にスピーチを行った。メディアは日中関係の発展に重要な役割を果たしているとし、正しい対中認識の形成に貢献するよう求めた。
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