9日から台湾入りしているカナダ下院のスグロ氏ら5人の超党派議員団は11日、総統府で蔡英文総統と会談した。中国が軍事的威圧を強めるなか、経済協力など二国間協力を更に強化していくことを確認した。スグロ氏は、台湾が2021年秋に申請した環太平洋経済連携協定(TTP)への加盟が「一日も早く実現することを願う」と述べ、国際組織への台湾の参与を支持する姿勢を改めて示した。
スグロ氏は、「台湾はTPPの加盟に関して非常に確固とした実績を持っている」と述べた上で「カナダには台湾のTPP加盟を望む議員が多くいる」と付け加えた。蔡氏は二国間の経済・貿易協力を強化することができるとし、TPP入りに向けて「カナダの支持に期待する」と述べた。
台湾外交部によると、新型コロナウイルスの流行以降、カナダ議会から派遣された最初の訪問団となる。
スグロ氏はカナダの議員団がアジア太平洋地域での経済機会を求め、10月に台湾を訪問する予定だと8月に発表していた。議員団らは、中華民国の建国記念日にあたる10月10日を含む9~14日の予定で滞在する。
カナダはこれまでも台湾の国際組織加盟を支持する姿勢を示してきた。5日には、台湾の世界保健機関(WHO)への加盟を支持する動議が下院で、全会一致で可決された。保守党のマイケル・クーパー議員は「台湾がWHOに加盟することは、世界の公衆衛生にとって有益」だと強調した。
カナダ第2の都市モントリオールで開催された国際民間航空機関(ICAO)の総会では、各国が台湾の同機関への参与を強く支持した。台湾外交部は総会の閉幕に際し声明を発表、中国が「台湾への脅しと恫喝をエスカレートする」なか、各国が台湾のICAOへの実務的な参与を目指す取り組みを世界が高度に認めていることが示されたとして、感謝の意を述べた。
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