米誌フォーブス20日付によると、動画共有アプリ「ティックトック(TikTok)」を運営する中国の北京字節跳動科技(バイトダンス)はティックトックを通じて米国人を監視することを計画している。
フォーブス誌が確認した資料では、バイトダンスが中国国内を拠点とするチームを立ち上げ、ティックトックを通じて特定の米国市民を対象に、その行き先の位置情報を追跡し監視しようとしている。
同社の内部監査とリスク管理部門が監視プロジェクトを運営している。上級幹部のソン・イェ(Song Ye)氏がプロジェクトの運営状況を共同創業者兼最高経営責任者(CEO)の梁汝波氏に直接報告するという。
監視チームは現・元社員らの不正行為を調査している。しかし少なくとも2件の事案は、内部監査チームがティックトックを通じて、バイトダンスと雇用関係のない米国人の位置情報収集を計画していたことを明らかにした。資料によると、この監視チームは米国のユーザーのデバイスから位置データを取得した。
ティックトックの広報担当者モーリーン・シャナハン(Maureen Shanahan)氏は、ティックトックは「ユーザーのIPアドレスを基に位置データを収集し、ユーザーに関連コンテンツや広告を表示している。法律を遵守し、詐欺や不正行為を検出し防止するのに役立つ」と話した。
いっぽう、フォーブス誌は、バイトダンスの内部監査チームはこの位置情報を使って米国市民を監視しようとしており、広告やその他の目的に使っていないと指摘した。
同誌は情報提供者を保護するために、提供された資料の詳細や監視の目的などを開示しなかった。
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