中国共産党の臓器狩り問題を暴露したカナダの人権弁護士デービット・マタス氏は24日、国会議員会館で講演を行った。法輪功学習者やウイグル人に対する臓器摘出は組織的な犯罪であり、情報を隠蔽され大衆に気づかれにくい「コールド・ジェノサイド」であると指摘した。
講演会には複数の国会議員や地方議員のほか、中国の少数民族団体代表らも出席した。マタス氏は、中国共産党が弾圧対象を徐々に消滅させようとしていると述べた。さらに対象グループを「敵」と位置づけ迫害を正当化し、国民を党策のために動員していると語った。
弾圧には軍や司法機関も深く関与している。軍や武装警察の運営する病院で臓器の強制摘出が行われ、拘置所などの監禁施設では定期的に血液型検査が行われる。マタス氏は、臓器を抜き取られた犠牲者は死亡するため、被害者の証言を取ることもできないと語った。
マタス氏は2018年6月に国際ジャーナル「ジェノサイド研究と予防」への共著論文で、ルワンダのツチ族が犠牲になった大衆の目を引く虐殺を「ホット・ジェノサイド」と例えた。いっぽう中国共産党の迫害は、情報封鎖や隠蔽をしながら徐々に進行させる「コールド・ジェノサイド」と定義。肉体のみならず精神的、社会的な抹消も図られるのも特徴だという。
台湾海峡の情勢が緊迫化するなか、台湾が侵略されればその人々も臓器狩りの対象になりうると警鐘を鳴らした。
和田有一郎衆議院議員(維新)は取材に対し「現代であってはならないことが起きている。許すべきではない。多くの日本人が目を向けるべきだ」と述べた。
中国問題に詳しいジャーナリストの大高未貴氏は「21世紀になってジェノサイドが現在進行形で行われていることは驚きだ」と述べた。「中国は札束外交で世界中で言論弾圧を行なっている。(中国の人権問題について)メディアはさらに報道すべきだ」と強調した。
日本ウイグル協会のハリマト・ローズ氏は、新疆の空港に建設された臓器輸送専用通路の写真を提示、数多くのウイグル人が強制収容所で犠牲になっていると訴えた。
世界南モンゴル会議のショブチョード・テムチルト氏は、中国共産党がモンゴル語を消滅させようとしていると語り、中国共産党政権は世界中の災いのもとになっていると強調。真実を伝えてきた法輪功学習者に敬意を表したいと語った。
ダライ・ラマ法王日本代表部のアリヤ・ツェワン・ギャルポ氏は、中国で登録されたドナーの数は臓器移植の件数をはるかに下回っており、移植手術を隠れ蓑として犯罪が蔓延っていると語った。
日本法輪大法学会の稲垣兼太郎氏は、中国共産党の犯罪行為を放置すれば、被害は拡大する一方だと指摘、中国共産党の残虐行為を阻止すべきだと述べた。
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