台湾の電子機器受託製造大手・鴻海科技集団(フォックスコン)の河南省鄭州工場でこのほど、コロナ対策に不満を持つ従業員らが寮の入り口に設置されたバリゲートを突破し、封鎖地域から脱出した。規模は数万人に達したとの情報もある。中国では、厳格なコロナ対策に反発する抗議活動が相次いでいる。
同工場では米アップル社のスマートフォンiPhoneの組み立てなどを行っている。30万人の従業員が在籍しており、省内の他の県からの出稼ぎ労働者が多数を占めている。
Twitterには「フォックスコン大逃亡」と題する動画が数多く掲載されている。従業員らが寮の入り口に集まり、バリゲートを蹴るなどして倒す様子が映し出されている。警察官が寮に戻るよう命じたが、大勢が一目散に走り出した。
別の動画では故郷を目指して高速道路を歩く若者の姿が映っていた。沿道の住民が食べ物を提供しているという。
鄭州工場は10月19日から、カフェテリアを閉鎖し、従業員に寮の自室で食事を取るよう求めた。
従業員と称する人物のSNS「微博」への投稿によると、寮と工場の間の移動しか認められず、昼食をとるために40分間かけて歩いて寮に戻っている。また、夕食時の仕出し弁当が腐っているなど、従業員の間で不満が高まっている。
また、生産量を減らさないよう陽性者の出勤も認められているため、感染者が急増していると訴えた。
同工場をめぐっては2万人が感染したという情報が出ているが、フォックスコンは否定した。
各県は脱出者に対し「(出身地)到着後すぐ隔離に入る。隔離費用は自己負担とする」などの通達を出した。
中国では厳格なゼロコロナ政策を実施している。チベット自治区の主要都市・ラサでは26日、厳格な「ゼロコロナ」政策による都市封鎖に抗議する大規模なデモが行われた。同市では都市封鎖が約3ヶ月続いている。
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