2017年、マイクロソフトは国営の中国電子科技集団(CETC)と提携して、共産党政権向けにカスタマイズされた「安全な」バージョンのWindows 10を含むサーバーを開発した。
2019年、GoogleのAIチームの主任科学者が、中国のステルス戦闘機の精度を向上させるための研究に貢献した。Googleは、これを否定している。
2021年、ゴールドマン・サックスとセコイア・キャピタルは、中国企業の4パラダイムが調達した7億ドル以上のうち相当部分を投資した。これらの企業は、人民解放軍向けのAI意思決定ソフトウェアの開発を公開契約している企業だ。
2021年後半、アップルのCティム・クック最高経営責任者(CEO)は、中国のサプライチェーンやその他のサービスへのアクセスを確保するために、中国共産党の指導者との間で2750億ドルの秘密の契約に署名した。この協定により、データとセキュリティ法のコンプライアンスを処理するためのベンチャーが中国で設立された。ニューヨークタイムズの調査で「アップルは、中国政府に支配権の大部分譲った」ことが判明した。
VOCの報告書によれば、これらを含む多くの事例は、米国のリスクが高まる中にあっても米国を拠点とする企業が中国軍を台頭させる道具となっているという洞察を提供した。
中国共産党は、6世紀の「借りた剣で殺す」という格言を新しい形で演出しており、民主的な西側との闘いにおける第三者として、米国のハイテク企業を事実上利用していることが報告書によって判明した。
中国共産党「米国と戦争状態」
米国のトップ研究機関と中国共産党の多くの組織が交錯し続けることの危険性を考えると、安全保障の専門家の中には、技術移転を全面的に禁止することを求める声もある。
フレミングもその一人だ。
「中国共産党は米国や自由世界と戦争状態にあり、何としてでも世界を完全に支配しようとしている」とフレミング氏は言う。
「この戦争は、過去に直面したどの戦争とも異なり、『無制限のハイブリッド戦争』」と呼ばれている。それは、敵を弱体化させ、戦う意志を喪失させるためにすべての非軍事的手段を使用することによって軍事目標を達成する」
この戦争に勝つ唯一の方法は、経済的に共産中国から完全に切り離し、重要な技術の移転を禁止することだと、この技術禁止令の支持者は考えている。中国への知的財産の流出を防ぎ、企業に米国への投資を促すことで、初めて中国の台頭を食い止めることができるのだ。
そのためにバイデン政権は、米国の知的財産と中国の軍需企業との寄生関係を断ち切るための取り組みを進めている。
先進的な半導体チップを製造するおよそ20社の中国メーカーに対し、米国の研究・技術の使用を禁止し、海外の脆弱な立場にあるハイテク企業を米国に呼び戻すために新しいチップ工場の開発に数十億ドルを再投資する。また、インド太平洋戦略を再構築して重要技術のサプライチェーンを中国から引き離し、米国研究によって作られた先進半導体チップを中国共産党が購入することを禁止するという前例のない取り組みを行っているのである。
しかし、中国共産党政権の軍事開発を抑制し、破滅的な紛争を回避するのに十分かどうかは、まだ未知数だ。
フレミング氏は、まだやるべきことが沢山あると言う。
「中国から、現在と未来のすべての重要な技術を直ちに完全に切り離すことが唯一の道だ」
(翻訳・大室誠)
(おわり)
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