[ワシントン 6日 ロイター] – 日米両政府は6日、サプライチェーン(供給網)における人権と国際労働基準を促進するための新たな作業部会を立ち上げ、他の政府にも参加を呼びかけると発表した。また、サイバーセキュリティーに関する協力を強化することでも合意した。
米通商代表部(USTR)のタイ代表と西村康稔経済産業相がワシントンで労働基準促進に向けた作業部会設置の覚書に署名した。
経産省によると、作業部会ではベストプラクティス(最良実施事例)などに関する情報共有を想定している。
読売新聞は今週、日米両政府が国際的なサプライチェーンから人権侵害を排除するため、関係省庁による新組織を設立する方針を固めたと報道。中国の新疆ウイグル自治区での強制労働問題などを念頭に、米国が強化している規制を日本企業にも浸透させる狙いがあるとしていた。
タイ氏は「この取り組みを機能させるためには、労働者団体、企業、市民社会など全ての利害関係者と連携し、永続的かつ有意義な変化をもたらす必要がある。世界中で労働者の尊厳を守るため、他国政府にも参加を促す必要がある」と述べた。
米国では昨年、強制労働を巡る懸念を理由に新疆ウイグル自治区からの物品輸入を原則禁じる「ウイグル強制労働防止法」が施行された。
タイ氏は「サプライチェーンの各段階で強制労働に対処する必要がある」とし、「こうした人権侵害はわれわれのシステムの根幹を揺るがす恐れがある」と述べた。
USTRによると、両氏は日本が今年の主要7カ国(G7)議長国として優先的に取り組む課題や、米インフレ抑制法に盛り込まれた電気自動車(EV)税控除を巡る日本側の懸念などについても協議した。
サイバーセキュリティーに関する協力強化では、西村氏とマヨルカス国土安全保障長官が最新の覚書に署名した。
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