昨秋に米連邦捜査局(FBI)が犯罪捜査の一環として家宅捜査したニューヨークの中国海外警察署が2日までに閉鎖されていたことが、国務省への取材でわかった。
国務省の広報担当者は、エポックタイムズの取材に対して「FBIは、(中国の)福州市に関連するニューヨークの海外警察署が閉鎖されたことを確認した」と述べた。
「我々は、中国共産党による国境を越えた弾圧活動を注視し、この問題に関して同盟国やパートナー国とも連携を行っている」とも明かした。
ニューヨーク・マンハッタンの中国海外警察署は、「美国長楽公会」が所有するチャイナタウンの6階建てのオフィスビルに入っており、中国の福建省福州市の公安部が設置。FBIは昨年、同局としては初めてとなる捜査に乗り出し、資料を押収していた。
スペインの人権団体「セーフガード・ディフェンダーズ」が昨年9月に発表した報告書によれば、中国共産党が世界各地に設置している100を超える非公式の警察署が、異論を唱える人権活動家などの帰国を迫る拠点になっている。日本では東京と名古屋、福岡などに設けられている。
国務省の広報担当者は、国際法に反して他国の主権を侵害している可能性にも言及し「その国の招待や承認なしに(海外警察署を)設置することは、深刻な問題」と非難した。
エポックタイムズは、FBIと司法省にコメントを求めたが本記事掲載までに返答は得られていない。
中国共産党は「主権を侵害」している
中国当局は、53カ国で運営されている警察署は、国外在住の中国人に運転免許の更新やパスポート更新といった行政手続きを提供していると主張する。
しかし、「中央統一戦線工作部」の活動と関連し宣伝、対外影響工作、越境弾圧、情報収集、中国への技術移転の促進など、海外での中国政権の利益を促進するために働く機関とされている。
アイルランドやオランダでは昨年、中国海外警察署は主権侵害にあたるとして閉鎖を命じた。FBIのレイ長官も昨年11月、上院の委員会で中国海外警察について「主権を侵害し、標準的な司法および法執行の協力プロセスを回避している」と強い懸念を示した。
大紀元は、東京で何度か海外警察関係者と接触したという中国出身の男性を取材した。男性は高額報酬でスパイ協力を求められたり、家族が脅しを受けたりしたと語った。
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