米国のマルコ・ルビオ上院議員は13日、米自動車大手フォード・モーターが中国の寧徳時代新能源科技(CATL)と提携してミシガン州に電池製造工場を建設する計画をめぐり、両社の契約を審査するようバイデン政権に要請した。スパイ気球の飛来で米中間の緊張が高まるなか、「中国共産党への依存を深めるだけ」だと危機感を示した。
フォードは13日、ミシガン州マーシャル市に35億ドルを投じて電気自動車(EV)用のリン酸鉄リチウムイオン電池製造工場を建設する計画を発表した。約2500人を雇用し、2026年に生産を開始する見通し。世界大手の電池メーカーCATLが技術支援を提供する。これによりCATLはインフレ抑制法(IRA)に基づく補助金を得ることが可能になる。
ルビオ氏はイエレン米財務長官などに宛てた書簡のなかで、CATLが中国政府から補助金を受け取るなど緊密な関係にあると指摘。こうした政府の支配下にあるCATLが米インフレ抑制法の下で生産税額控除を受けられることは「中国共産党の利益増大に貢献することになる」と対米外国投資委員会(CFIUS)の即時審査を求めた。
加えて中国共産党のEV市場の独占にも危機感を示した。中国共産党はEVのバッテリー技術に出資して開発し、リン酸製造など重要な工程の独占を目論んでいると述べた。中国政府は2015年に「メイド・イン・チャイナ2025」計画を発表し、10年以内に電気自動車産業を支配する目標を具体的に明記している。
フォードの電池製造工場の候補地として当初、バージニア州が挙がっていたが同州のヤンキン知事が国家安全保障の懸念を理由に却下した経緯がある。ヤンキン氏の広報担当者は「中国共産党の隠れ蓑として機能し、バージニア州の経済安全保障と市民のプライバシーを危険にさらす恐れがある」とエポックタイムズの取材に語っていた。
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