米下院の「米国と中国共産党の間の戦略的競争に関する特別委員会」の委員長を務めるマイク・ギャラガー議員は25日、閉鎖されたニューヨーク・マンハッタンの中国海外警察署前で集会を開いた。中国共産党を「マフィア」になぞらえ、反体制派らへの越境弾圧に対する罰則を強化すると述べた。
「中国共産党は政治家、多国籍組織、企業、そして場合によっては法執行機関を買収する。説得の代わりに、暴力と脅しを駆使し、人を消すこともためらわない」「今やその抑圧を世界中に輸出しようとしている。彼らの前に立ちはだかることができるのは、我々の価値を守ろうとする意志だけだ」
ギャラガー氏はそのほか、米国を横断した中国のスパイ気球にも言及、主権損害だと非難した。同氏はエポックタイムズの取材に対して中国の無責任な行動に「反撃し、一切容認しない」と答えた。
人権団体「セーフガード・ディフェンダーズ」によると、米連邦捜査局(FBI)が犯罪捜査の一環として家宅捜査したマンハッタンの中国海外警察署は、中国政権が世界53カ国に設置した100以上の警察署の一つ。これらの警察署は中国共産党の情報機関「統一戦線工作部門」と連携し、異論を唱える人権活動家などの帰国を迫る拠点になっている。
集会では、さまざまな背景を持つ中国の反体制派たちが、自身や友人が経験した国境を越えた弾圧の話を共有した。
1999年から中国で弾圧されている法輪功の学習者ヘンリー・ユエ氏は、2月中旬に友人が親中共派の男から暴行を受け首や手に怪我を負ったと訴えた。同氏によれば、中国共産党による法輪功迫害の真相を伝える啓発活動を行っていた路上展示ブース付近で男は学習者のスマホを奪い取り、首を絞めたり噛みつこうとしていたという。
中国国営企業の元会計士で、人権擁護活動のために中国で1年以上の懲役刑を受けた王永紅氏は2019年7月、グランドセントラル駅で行われた台湾の蔡英文総統を歓迎する集会で中国共産党の支持者から暴行を受け、病院に搬送された。
「共産党は制御不能に陥っている。中国人を奴隷にしただけでなく、米国に逃れた私たちにもその魔の手が忍び寄っている」と王氏は言う。
中国共産党から独立した中国語のニュースソースとして唯一残っているエポックタイムズの中国語版の新聞受けも破壊された過去がある。
ギャラガー氏は、こうした中国共産党の越境弾圧について光を当てることが中国特別委の最も重要な任務だと強調する。「取り組みを始めたばかりだ。今後こうした犯罪を阻止していく」と述べた。
また、中国共産党による標的型の嫌がらせや攻撃に対処するためFBIとの対話を模索しているという。集会前日にFBIのクリストファー・レイ長官に中国海外警察署について書簡を送ったことを明らかにし、越境弾圧に加担する者への罰則を強化していきたいとエポックタイムズに語った。
集会に参加した議員たちも、この取り組みが超党派の共同作業となることに期待を寄せている。
中国特別委のリッチー・トーレス議員は「米国は法の支配、人権、そしてここ米国にいる中国の反体制者を含む一人一人の自由を重んじている。米国内の自由戦士を守れずしてどうして我々米国は自由の擁護者と言えるのか」と超党派で中国に立ち向かう姿勢を示した。
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