1990年代に米国は、米国防総省のコンピュータ通信システムを拡張してインターネットを実現した。当初からセキュリティが問題視されたが、当の米国はまったく気にしない。それもその筈、セキュリティが確保されないからこそ、米国はインターネットを推進したのだ。米国は、これにより世界中の通信を監視できるし宣伝工作も思いのままである。要するに情報戦争の戦場としてインターネットを設定したのである。
その第一の標的にされたのが日本である。インターネットを導入した日本は、金融情報も技術情報も企業情報も駄々洩れとなり、国内世論は攪乱された。1997年にはアジア通貨危機が起こり、日本は東南アジアの市場を失い、大蔵省は解体され銀行は再編に至った。
この際、親中派の米クリントン政権は、中国にサイバー戦の技術を供与している。米中が連携して日本から搾り取る戦略だったのだ。中国の経済発展がこの時から本格化しているのは単なる偶然ではない。
従って中国のサイバー戦技術を米国は今頃になって脅威としているが、もとはと言えば米国が育てたのである。さらにこの技術は中国からロシアと北朝鮮に伝播し、インターネットは情報詐取とフェイクニュースの溢れる、米国の管理できない戦場になり、情報戦争の戦国時代となった。
人、物、カネ、そして情報の移動の自由を謳うグローバリズムの原動力はインターネットであったが、いまや最も信用できない通信システムになり、グローバリズムは終焉を迎えようとしている。
(了)
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