米フロリダ州議会上院は11日、中国企業などによる土地購入を阻止する法案を全会一致で可決した。所有する土地の売却義務などが盛り込まれており、中国企業による対米投資の規制強化を図る狙いだ。
法案SB264は中国やロシア、イラン、北朝鮮など7カ国と関連する団体または個人が州内の農地を所有することや、軍事施設や重要インフラから20マイル以内に不動産を取得することを禁止する。その他、対象国と関連する団体と個人情報アクセスに関わる契約を結ぶことを禁じる内容が盛り込まれた。
法案を提出したジェイ・コリンズ議員は法案が上院を通過したことを受けて「中国共産党のようなならず者は、米国の価値観を脅かす存在だ。ここフロリダで彼らが土地を購入できる場所はない」とツイートした。
全米不動産協会によると、2021年4月から2022年3月までに中国の投資家が米国の住宅に費やした金額は61億ドルに上り、支出額では最大の外国人バイヤーとなった。フロリダ州はその購入ブームの中心となっており、全米の外国人不動産購入の24%を占める。
対中強硬派で知られるフロリダ州のロン・デサンティス知事は1月、中国共産党がもたらす経済的・安全保障上のリスクから、中国企業による州内の土地購入の禁止を検討していると発言していた。
下院でも翌日12日、超党派で提出された同様の法案を歳入委員会が承認した。法案を提出したデビッド・ボレロ議員は米国を横断したスパイ気球などを挙げ、米国の利益を損なう中国共産党とは「ビジネスをすることはできない」と強調した。
他州も同様の動きと取っている。ユタ州は3月、中国共産党による土地買収禁止法案を可決した。テキサス州の上院でも先週、同様の法案が州務委員会を通過した。同州のアボット知事は、州議会を通過すれば、法案に署名するとの見解を示している。
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