ロシアの首都・モスクワでは9日、78年前の対ドイツ戦の勝利を祝う軍事パレードが行われ、プーチン大統領やショイグ国防相、ベラルーシのルカシェンコ大統領らが出席した。陸軍主力の戦車部隊は姿を見せず、骨董品の「T-34」戦車1両が参加しただけだった。戦闘機などの航空部隊も参加しなかった。
ロシアの軍事パレードでは、主力戦車のT-72やT-80、T-90などが隊列を組んで行進することが恒例となっていた。しかし、ロシア軍の戦車部隊はウクライナ戦争で大きな損失を被り、英シンクタンク国際戦略研究所(IISS)によると、損耗率は最大50%に達しているという。
T-34戦車は第二次世界大戦期に開発された戦車で、博物館級の骨董品だ。
戦車以外にも、歩兵を搭載可能な歩兵戦闘車や、自走式の榴弾砲など、機甲師団を構成する装甲車両はほとんど見られなかた。
新兵器は2種類の装甲車のみ。地対空ミサイルの「S-400」や、戦略核兵器である大陸間弾道ミサイル「ヤルス」が大きな比重を占めた。
いっぽう、歴史学者の岡部芳彦氏によると、過去には戦車が全く登場しなかった年もあったという。岡部氏は自身のツイッターで、エリツィン政権下の1997年には財政難でT-34戦車すら走らず、徒歩行進のみだったと明かした。
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