[22日 ロイター] – インドのモディ首相は22日、パプアニューギニアで太平洋島しょ国の首脳との会合(サミット)を開催した。ブリンケン米国務長官もこの日、島しょ国首脳との会合を開催し、パプアニューギニアと防衛協力協定に署名する。
モディ首相はサミット開幕に際し、サプライチェーン(供給網)の混乱や気候変動による困難に見舞われる中で、インドは太平洋島しょ国の信頼できる開発のパートナーになるとし、自由で開かれたインド太平洋にコミットしていると述べた。
「デジタル技術、宇宙技術、健康危機対応、食糧安全保障、気候変動、環境保護などにおけるわれわれの能力と経験を共有したい」と表明した。
日本、米国、オーストラリア、インドの4カ国の協力枠組み「クアッド」の首脳が主要9カ国首脳会議(広島サミット)で、太平洋島しょ国との協力を強化することで合意していると述べた。
パプアニューギニアのマラペ首相は、インドはグローバルサウス(新興・途上国)のリーダーだとした上で、ウクライナ戦争で燃料・電力価格などが高騰していると指摘し、「大国間の駆け引き」によって苦しむ島しょ国のことを考慮するよう求めた。
<防衛協力協定>
モディ首相は中国と安全保障協定を結んだソロモン諸島のソガバレ首相と2国間の首脳会談を行った。
ブリンケン長官は22日、パプアニューギニアとの防衛協力協定に署名し、午後には島しょ国首脳との会議を開催する。
米国務省によると、パプアニューギニアと経済・安全保障分野での協力を強化する一環で新たに4500万ドルの資金を提供する。軍の防護装備、気候変動の緩和、国際犯罪やエイズウイルス(HIV)への対処などが含まれる。
マラペ首相は21日、米国との防衛協力協定締結で今後10年間に米軍のプレゼンスが拡大することになるとメディアに語った。
ただ米国との関係強化は、重要な貿易相手である中国を刺激するとの懸念もあり、複数の大学では協定締結に対する抗議活動が行われた。
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