北京の地下鉄は、隣駅へ行くにも個人情報入力が必要 市民は「もう、うんざりだ」

2023/05/27 更新: 2023/05/27

北京の一部の地下鉄駅では、たとえ隣駅へ行くだけでも、自動券売機でチケットを購入する際に購入者の「氏名」や「身分証番号」を入力しなければならない。

中国国営メディア「京報網」は「身分証(ID)の読み取り機能をもつ機械があるのは、ごく一部の大きな空港や鉄道駅だけで、小さな駅では手入力に頼るしかない」とする現地の駅職員の話について伝えている。

北京新聞広播(ラジオ)23日付の報道によると、「什刹海や奥森(いずれも駅名)などの、乗降客も多く混雑する駅ではチケット購入時に個人の身分情報を必要としない。しかし、永泰庄や金安橋といった小さな駅では必要だ。この統一性のなさに戸惑う市民もいる」という。

こうした実際上の不便や「身分証の情報が、そもそも必要なのか?」といった疑問を呈する内容の動画がSNSで拡散され、物議を醸している。

ある北京市民によると「北京の地下鉄で身分証情報を求めるチケット販売は、新型コロナのパンデミック期間から始まっている」という。

当時、この方法は、ウイルス感染管理アプリである「健康コード」の導入と同時に実施された。ところが「健康コード」が廃止された現在も、実名制によるチケット購入だけは、なぜか続けられている。

これに関連する話題をめぐって、中国のネット上では市民からの不満が噴出している。

「(自分が)居住する集合住宅に入るにも、顔認証だよ」
「実名制を求めるものが多すぎて、プライバシーなど全くない」
「あなたの日常は追跡可能だ。さあどこに逃げる?」
「手間もかかるし、本当に時間の無駄。たかが地下鉄に乗るのに、なんでこんなに疲れさせるの?」
「事あるごとに身分情報を求めてくる。本当にうんざりする」

李凌
エポックタイムズ記者。主に中国関連報道を担当。大学では経済学を専攻。カウンセラー育成学校で心理カウンセリングも学んだ。中国の真実の姿を伝えます!
鳥飼聡
二松学舎大院博士課程修了(文学修士)。高校教師などを経て、エポックタイムズ入社。中国の文化、歴史、社会関係の記事を中心に執筆・編集しています。
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