[ワシントン 30日 ロイター] – 米国家防諜安全保障センター(NCSC)は30日、中国で7月1日から施行される改正「反スパイ法」について、中国で活動する米国や他の外国企業による通常のビジネス活動が中国当局から罰則を受ける可能性があると警告した。
中国全国人民代表大会(全人代、国会)常務委員会は4月、スパイ行為の摘発を強化する「反スパイ法」改正案を可決した。国家の安全に関わるあらゆる情報の移転を禁止し、スパイ行為の定義を拡大する。
NCSCは、改正反スパイ法は「米企業が中国で保有するデータにアクセスし管理する法的根拠を拡大する」と指摘。さらに、中国は国外へのデータ流出を国家安全保障上のリスクとみなしており、外国企業が現地で採用する中国人社員に対し中国の情報収集活動を支援するよう強制する可能性があるとした。
また、改正反スパイ法で示されている定義が「曖昧」で、「あらゆる文書やデータ、資料、物」が中国の国家安全保障に関連するとみなされる可能性があり、ジャーナリストや学者、研究者も危険にさらされると警告した。
こうした中、米国務省は30日、中国への渡航に関する勧告を更新。「不法な拘束のリスク」などを警告し、中国への渡航再考を促した。
在ワシントン中国大使館の劉鵬宇報道官は、中国政府には国内法を通じて国家安全保障を守る権利があると指摘。「中国は引き続き高度な開放を推進し、米国を含む全ての国の企業に対し、より法に基づいた国際的なビジネス環境を提供していく」と述べた。
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