カナダの著名な調査記者、サム・クーパー(Sam Cooper)氏は、このほど「中国が留学生を使ってカナダの政治に干渉していることについて、カナダの情報機関が監視している」と明かした。
「カナダのなかでも、特にオンタリオ州やブリティッシュコロンビア州では、中国の駐カナダ外交官が中国人留学生組織を使って、学校側や他の学生に対する監視や脅迫などのスパイ工作を行っている」
クーパー氏は、カナダの情報機関の報告書をもとに、そのように指摘する。
駐シドニー中国領事館の元外交官・陳用林氏も、かつて「中国領事館は(海外の)各大学で中国学生学者連合会 (CSSA)を立ち上げ、これに資金を提供し、操っている」と指摘している。
陳用林氏は、中国外交部で一等書記官の肩書をもつ外交官であったが、駐シドニー中国領事館に勤務していた2005年5月、家族とともに豪州への政治亡命を果たす。
中国学生学者連合会 (CSSA)は中国共産党の中央統一戦線工作部 (UFWD) の管理下にあり、中国政府の広範な海外浸透工作の一部を担っている。
カナダの国会議員で構成される国家安全保障・情報委員会(NSICOP)の報告書にも、「中国が華人団体を利用し、また中国人留学生を動員して、カナダの選挙に介入し、カナダの政治家を脅してきた。近頃、そのような行動は、いっそう顕著になっている」と指摘されている。
中国当局は、個人をターゲットにするだけでなく、表現や集会の自由などの基本的権利さえも侵害し、学術機関の独立性に影響を与えることを目論んでいる。そうした国際法に甚だしく違反する行為について、カナダ政府は現在、実態調査および関連法規の制定を急いでいる。
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