「Family」がFワード(禁句)に
非営利団体「ユナイテッド・ファミリーズ・インターナショナル(UFI)」の代表として国連でボランティア活動を行う元教師のエイプリル・ギャラート氏は、親権や家族中心の価値観に反発する動きを国連内で見つけたという。
ギャラート氏は2013年から国連に通い始めた。家族中心の価値観に基づくロビー活動を行うべく、代表団との議論を重ねてきたという。
彼女によると、国連は文書から「母親と父親」という言葉を削除するために、あらゆる手を尽くして戦っていたという。
「子どもを性的関心から守る親は、子どもの自主性を阻み、子どもが自分で決断することを阻む存在とみなされる」
「すべてが個人の問題になる。そうして、個人が家族から引き離される」
「国連では『Family』がFワードになってしまった」
「政策立案者らは、母親が子どもから離れて労働に従事することを望んでおり、子供が年老いた両親の面倒を見ることを無報酬労働とみなしている」
「彼らは、私たちが何千年も大切にしてきた役割をすべて破壊し、意思決定の権限をすべて子どもに与えようとしている」
「なぜ大人は子供たちに性に関する話をしたがるのか。その唯一の理由は、境界線を崩すためだ。小児性愛の他にどんな理由があるというのだろうか」
彼女が会った後進国や宗教的つながりの強い国の代表者の多くは、保守的な米国人に典型的な家族中心の価値観を共有しているという。
しかし、米国やカナダ、オランダなどの西側諸国が、アフリカやその他の発展途上国に対して、性教育などのテーマについて自分たちの考えに従うよう多大な圧力をかけているのを目の当たりにしたという。それは、他のプロジェクトでの資金獲得に付随して提示されたという。
性教育の失敗
国際法に関する研究・執筆を行う弁護士のステファノ・ジェンナリーニ氏は、性教育は性行為に起因する性感染症などから若者を救っていないと述べた。
米国疾病対策予防センター(CDC)によれば、性感染症は米国で急増しており、15歳から24歳までの新規感染者は毎年数百万人にのぼるという。
家族計画連盟の教育部門である「米国性情報・教育評議会(SIECUS)」は「社会変革のための性教育」をモットーとしている。
同団体の性教育の資料には、禁欲が妊娠や性感染症を避ける最も安全な方法であることが示されているが、彼らは性的同意や中絶、自慰、性的空想、性反応についても教えている。
SIECUSは、全米教育協会教職員組合やその他の団体の意見を取り入れて、全米性教育基準を作成した。「これらの有害な基準は、最近まで学校にほとんど無関心だった保護者に気づかれることなく、学校区によって採用されている」とジェンナリーニ氏は述べた。
「国際組織が道を踏み外している」
ジェンナリーニ氏は、国連やその関連機関との協定には拘束力がないと考えている人が多いようだが、これらの国際的な非政府組織には強大な権力がある、と警告した。
「もっと自覚を持つべきだ。問題は、国際組織が道を踏み外していることだ」
ジェンナリーニ氏が所属する「家族と人権のためのセンター(C-Fam) 」のような米国の保守系団体は、国内の議会議員に焦点を当てて活動しているため、国連では事実上孤立している。しかし、彼は保守派の担うべき責任を自覚している。
「保守派は国連脱退を主張すべきではない。むしろ、保守派は国連でもっと目立つ存在になり、世界中の多くの市民に受け入れられている家族中心の価値観を推進する必要がある」
「その価値観に反する政策に関して、有権者の前で是非が問われたことはなかった」
ジェンナリーニ氏は、WHOが策定中のパンデミック条約をめぐる最近の論争に言及した。この条約が国家の主権を奪い、将来発生するパンデミックへの対応に関して各国に命令を下すことを危惧する保守派は多い。
「パンデミックに目を向ければ、事実上の世界政府がすでに存在していることは分かる」
国連で家族や保護者のためにロビー活動を展開しているのは、実質的にジェンナリーニ氏の非営利団体だけだ。
「世界的な組織は、人々が思っている以上に大きな権力を持っている。主権国家が国連と法的拘束力のある契約や条約を結んでいるからだ。気候変動問題に関する国際的な枠組みであるパリ協定と同じだ」
「その結果、これらの協定をめぐる膨大な国際法が生まれた。しかし、そのような政策を民主主義国家の有権者が承認したことはない」
「これは憲法を回避するやり方だ。世界のいたるところで民主主義が弱体化している」
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