上川陽子外相は13日、就任後初となる記者会見のなかで、日本がG7議長国や国連安保理非常任理事国といった国際社会の役割のなかで責任を果たしていくと語った。女性の外相は川口順子氏以来、約20年ぶり。史上3人目となる。
来週には米ニューヨークで開かれる国連総会を控える。「大舞台で日本の存在感を示すとともに、世界各国のカウンターパートとの信頼関係を構築する」との考えを示した。
上川氏は安全保障の側面にも触れ「日米同盟を安全保障の根幹とし、外交と防衛を連携させながら、我が国の領土、領海、領空を守っていく」と強調した。また、科学技術力や感染症対策を含む世界の衛生保健の向上など、国際社会での指導力を発揮する考えを示した。
上川氏は日中関係について、多くの課題や懸案事項を認識しつつ「主張すべきは主張し、責任ある行動を求めていく」との岸田政権の外交姿勢を改めて説いた。そのいっぽうで「建設的かつ安定的な関係の構築を双方の努力で進める」とした。
このほか、ロシアと北朝鮮の首脳会談に関して、武器及び関連物資の取引が安保理決議違反につながる可能性について懸念を示し、日本として注視していることを明らかにした。
岸田首相「私自身も外交リードする」
前日には岸田文雄首相は内閣改造について、外交・安全保障の閣僚人事について記者会見で説明している。自身が長く外務大臣を務めた経験をもとに、首脳外交の重要性を痛感していると述べた。
「外交は、外務大臣や防衛大臣などの閣僚が大きな役割を果たしますが、首脳外交が非常に大きなウエートを占めると認識しています。私自身、この首脳外交において大きな役割を果たしていきたいと思います」と岸田氏は語った。
また、外交を支える有能な人材が自民党内に多数存在すると指摘。前外務大臣の林芳正氏も非常に有能であったが、党内の有能な人材にも力を発揮してもらう体制を組むことが、外交をさらに前進させる上で意味があるとした。
「経験や分野における知識豊富な上川大臣や木原大臣にも努力を期待しており、私自身も外交をリードしていきたいと考えています」と岸田氏は締めくくった。
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