試薬の漏洩か? 病院医師と学生が集団で希少がん発症 研究室は解体に

2023/11/10 更新: 2023/11/10

中国の中山大学第二附属病院(通称、中山第二病院)の乳腺外科研究チームに所属する複数の大学院生が、30歳未満で希少がんを集団で発症し、ネット上で、実験室からの試薬の漏洩が学生への感染を引き起こした疑いが広がっている。

11月8日、中山第二病院は突然、消防点検という理由で、問題の実験室を解体した。この動きはより大きな疑念を呼び起こした。

11月7日、ウェイボーユーザーは、中山第二病院乳腺外科の蘇世成教授の研究室に所属する複数の学生が集団で希少がんを患っていると投稿した。そのうちの1人は膵臓癌と診断され、自分の余命が数か月しかないと明かした後、指導教授のグループチャットから追い出された。

同病院は、ネット上で拡散された情報は虚偽だとし、現在対応中で、後日説明すると回答した。8日、病院は医者3人が、がんに罹患したが、学生は罹患しなかったと報告した。

そのうち、王氏は膵臓がんと診断され、手術を受け「現在は安定した状態」だという。劉氏は2023年6月に滑膜肉腫と診断された。もう1人は2023年に乳がんと診断された。

しかしインターネット上に出回っている同病院の乳腺病棟のチャットグループのスクリーンショットから、6〜9人が癌に罹患している可能性があり、その全員がこの研究室の学生であることがわかる。

ウェイボーのスクリーンショット

黄氏の妹は、中国メディア「齊魯晚報」に応じ、姉が膵臓がんと診断され、指導教授のグループチャットから追い出されたことを確認した。現在、黄氏の病状はまだ非常に深刻だという。

蘇世成教授は7日、毎日経済新聞に応じ「完全な噂」だとコメントした。

この件に詳しいネットユーザーは、「この実験室ではがんを誘発する実験が行われていた。 正確な理由は不明だが、おそらく試薬が漏れてしまって、教授が口封じした」と投稿した。

ネット上で出回っている写真では、同研究室は 8日に解体されたようだ。

 

ウェイボーのスクリーンショット

同病院は消防の点検だとしているが、ネットユーザーから、情報隠滅ではないかと疑問の声が上がっている。

「専門教授の研究チームの学生が、がんを患った。 それが暴露されると『噂』を払拭しながら同時に実験室を解体している。恐ろしいことだ!危ないとわかっていながら、学生にやらせていたのだろう」

中山第二病院の公開情報によると、1983年生まれの蘇世成氏は中山医科大学の主任医師、研究員免疫学・微生物学部長で、中山第二病院乳腺外科教授、主任医師などを務めていた。 

夏松
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