12月1日、「中国を読み解く(読懂中国)」をテーマにした国際会議(12月1日~3日開催)が広東省広州市で開かれた。その際に、一部の会議参加者が「PCR検査が行われた」とSNS投稿したことがわかり、ネット上で物議を醸している。
今月1日、ハルビン商業大学金融学院金融工程研究所の所長である田立教授は、自身のSNSで次のように明かした。
「国際会議『中国を読み解く(読懂中国)』に参加するために広州に来た。ところが、会議に参加するため最初にやらなければならない仕事は、なんとPCR検査だった。午後には結果が出るようだ。(陽性にならず)スムーズに会議に参加できることを願っている」
動画のなかには、指定されたホテルでPCR検査を受ける田教授の姿があった。防護服にマスクを付けた「大白(ダーバイ)」と呼ばれる防疫要員が、被験者の口のなかに綿棒を突っ込んでかき混ぜる。中国人にとっては、かつて3年にわたって続いた、懐かしくも忌まわしいシーンである。
この動画は、すでに4万回以上再生された。コメント欄には「なんでまたPCR検査やるんだよ!」といった反発と悲鳴が殺到している。
この国際会議は、中国共産党および中国が発展している現状や、国際協力に関するテーマでフォーラムやシンポジウムが行われる。
完全に「中共メインの筋書き」で開催される同会議には、中共党首・習近平も祝賀メッセージを送っているほど、中国では重要とされる国際会議である。中共は今、海外から中国への投資を、喉から手が出るほど渇望しているのだ。
ところが田教授は、その会議に参加するため「最初にやらなければならない仕事は、なんとPCR検査だった」と、まことに正直に発信した。田教授の存在がひときわ注目された背景には、やはり中共の嘘と隠蔽体質に嫌気が差している民衆の心情があるからだ。
まもなく2023年を終えようとする今、まさに「津波のようだ」と形容されるほどの疫病の大波が、世界のなかで、なぜか中国だけに襲いかかっている。
それに呼応して、ゼロコロナ時代を代表する「白服の防疫要員(大白、ダーバイ)が返ってきた」「上海の空港でPCR検査が再開された」「各地で健康コードにログインできるようになった」「方艙医院がまた使われ始めた」などといった、かつての感染症対策が復活したという各地からのネット情報が沸き起こった。
これらはまさに、3年間にわたり中国人の脳裏に焼き付いた「ゼロコロナ政策」の忌まわしい記憶がよみがえってきたことを意味している。
こうしたかつての感染対策の数々が再開されたことは、中国における感染症流行の状況が、すでに深刻であることを如実に物語っている。
悪夢の日々の再来に、民衆が非常に動揺していることは想像に難くない。
(広州でPCR検査を受けるハルビン商業大学金融学院金融工程研究所の所長・田立教授)
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