中国では先月以降、発熱や肺炎をともなう呼吸器系の感染症が各地で爆発的に流行している。
中国共産党の当局はこれを「新型コロナウイルス」による感染症であると認めていない。いっぽう、中国の教育部が「全国の学校へ新型コロナ対策を指示する」など、対応上の矛盾も露呈している。
民間では「病院では検査してくれない。自分で検査キットによる検査をしたらコロナ陽性だった」というように、いま流行している感染症は「実際には新型コロナだろう」と疑う声が圧倒的に多い。
実際、すでに疑いの段階を超えて、それが新型コロナであることは民衆に知れ渡っている。
なぜならば、中共当局が「新型コロナではない」と言っているからだ。これ以上の逆説的証拠はないことを、中国の民衆は口に出さずとも誰もが知っている。
(北京の小児科は患者であふれ、上海でも毎日40万人が感染している。「原因不明」の肺炎が爆発して1か月あまり、その勢いは衰えを見せない)
「まるで子供を標的にしているよう」
中国北部を中心に始まった今回の感染拡大であるが、今では南部もふくむ全国に拡大している。とくに南部で感染が拡大している省である福建省で中医(中国伝統医学)を扱う林医師は7日、エポックタイムズの記者に対して、次のように内情を明かした。
「新たな感染の波はすでに始まっており、子供の感染が特に深刻だ。今回の感染の波は、まるで子供を標的にしているようだ」
また、福建省の感染状況について、林医師は「現在、地元の病院は混雑を極めており、治療の待ち時間は非常に長い。一日の診察待ち人数は千人以上だ。これほど多くの患者が病院のなかでごった返しているため、はじめは軽症だった人でも(病院内で)重症化しやすくなる。病院は(ウイルスの)重度汚染区域になっている」と話した。
さらに林医師は、今回の感染の波について「マイコプラズマ肺炎やインフルエンザウイルスが引き起こす肺炎、もちろん新型コロナウイルスによる感染などもあるだろう。これは、複数のウイルスが組み合わさったもの、言わば『総合性ウイルス』によるものだろう」と考えている。
さらに林医師は、自身が受け持つ患者のなかにも多くの感染者がいるとした上で「(西洋医学の病院では)皆インフルエンザとして扱われ、その治療をされている現状がある」という。
「いま病院では新型コロナの検査をしない。新型コロナについては言及すらしないのだ。目下のところ、医学的な統計はまだ公表されていない。もしかしたらパニックを避けるために公表されないのかもしれない。とにかく今は、全てをインフルエンザとして扱っている」と林医師は話した。
福建省の病院「千人以上の診察待ち」
福建省アモイ市の地元紙「厦門日報」7日付によると、「アモイ市の主要病院の小児科や救急外来を受診する患者数は絶えず増えている。多くの児童が、何日も高熱が続く症状を繰り返している」という。なかでもアモイ大学付属第一医院の一日の受診者は多い時で1500人に及ぶなど大混雑しており、子供の点滴エリアが特にごった返しの状態にある。
福州市民の厳さんはエポックタイムズに対し、「ここ1か月で、人々はスーパーマーケットやショッピングモールでマスクを着用するようになった。どこの病院でも長蛇の列ができている。小さな診療所では、患者の列が道路にまで続いている」と話した。
中国のSNSには、「マイコプラズマ肺炎とA型インフルエンザ、同時に感染した」といった、複数種類のウイルスに同時感染したことを訴える各地ユーザーによる投稿が相次いでいる。
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