中国の国家統計局が先日公表した一連の経済データのなかで、「若年層の失業率」は依然として飛び抜けている。
このほど、広東省や江蘇省などの都市部で職を得られず、路上などで寝泊まりをしていた多くの若者が、当局によって「駆除」される様子を映した動画がネットに出回っている。
江蘇省昆山市に住む蔣さんは、次のように明かす。
「いま仕事を見つけられない人は本当に多い。近所の橋の下には、いつも農民の出稼ぎ労働者が寝泊まりしていたが、追い出されてしまった」
蔣さんは「本来ならば、政府がホームレスや野宿せざるを得ない人たちを助けるべきだ。それなのに、どうして追い出すのか。全ては(対外的な)メンツのためだ」と不満を隠せない。
広東省深センの龍華バス駅付近でも、路上で寝泊まりする人たちを、強引に「駆除」しているようだ。
ネットに投稿された動画のなかには、鉄製の刺股(さすまた)を手にした大勢の警察官が、ホームレスを追い払う様子が映し出されている。また別の動画には、警察に追われた若者たちが、橋の下から荷物を運び出す様子が映っている。
広東省広州市に住む武さんは「今は本当に景気が悪い。多くの人は路上で寝泊まりをしている。食べ物もなく、飢えている失業者も本当に多い」という。
米有力シンクタンク「外交問題評議会(CFR)」の国際経済主任のベン・スティール(Benn Steil)氏はこのほど、米政府系放送局ボイス・オブ・アメリカ(VOA)に対し、「中国の若者の発展の機会は、すでに枯渇した。彼らの生活水準は、その親の世代よりも低くなるだろう。これは今後、中国社会の不安定要素になりかねない」と分析した。
ご利用上の不明点は ヘルプセンター にお問い合わせください。