中国共産党の腐敗した体制下では、災害救援のため各地から贈られた善意の物資が地元当局によって着服、転売されることは常態化している。
このほど、防寒用高級アパレルを製造するカナダの企業カナダグース (CANADA GOOSE)が被災地に寄贈したと思われる高級羽毛服の一部が、すでに「転売」されている可能性が高いことがわかった。
中国甘粛省で18日深夜、マグニチュード(M)6.2級の地震が発生した後、被災地は廃墟と化し、零下10数度の酷寒のなか、家を失った大勢の被災民が野宿を余儀なくされている。
そのようななか、防寒用高級アパレルを製造するカナダの企業カナダグース (CANADA GOOSE)は今月21日、同社の公式ウェイボー(微博)を通じて「高地や寒冷地で使用できる高品質のダウンジャケット2千着(5億円以上相当)などの防寒用物資を、中国の被災地に寄贈する」と公表した。
「高価な救援物資が寄付された」とのニュースが流れた直後から、「これらの高級品が、本当に酷寒の中にいる被災民の手に渡るのか」という話題が持ち上がり、華人圏のSNSでは熱い議論が交わされてきた。
実際、一着20万円はするという最高級のダウンジャケットが、本当に中国へ寄贈されたら、どうなるか。
「被災者の手に届く確率は、限りなくゼロだ」というのが普遍的な世論である。つまり、役人たちに着服され、カネのために転売される可能性が極めて高い。
どうやら、そんな人々の「予想」が的中したようだ。
中国最大のフリマアプリ「閑魚」でこのほど、「甘粛省の被災地を援助するグース(援助甘肅震區鵝)」という紹介文付きのカナダグースのダウンジャケットが1着8500元(約17万円)で取引されていたことがわかった。やはり転売されていたのである。
「商品ページ」に表示された出品者のIPアドレスは上海のもの、それもかなり信用度が高い売り手による出品であるらしい。
出品者は商品の動画もアップロードしており、「早い者勝ち。数百着しかない」と紹介していた。それが本当ならば、ここだけで「数百着は横流しされた」ことになるが、その真偽については確認できない。
この「転売疑惑事件」が世論の注目を集めると、上海慈善基金会と甘粛省の救災指揮部は26日「ネット上で噂になっている物資の転売」について、それはデマであると否定した。しかし、現在これらの救援物資がどこに保管されており、今後どのように被災者へ配布されるかに関する説明は全くない。
いっぽう、フリマアプリ「閑魚」のほうでも、出品したアカウントは「人目を引くため情報を捏造したものだった」として商品を削除し、出品アカウントを封鎖した。
こうした一連の「騒ぎ」について、華人圏のSNSでは主に「当局がデマだと否定することは、実は本当のことである。そういう先例は、これまでに無数にあった」と語られている。
つまり「転売の事実はある」ということであり、そう信じる人は極めて多い。
そしてもう一つの、忘れてはならない事実は「被災地の人々は、今も極寒のなかにあり、命の危険に迫られている」ことである。
金儲けに目を血走らせる中共の役人には、それが全く目に入らない。地震発生後わずか15時間で、なぜか当局は「救援作業の終了」を発表した。もとより被災者を救済するという思考が、中共の腐敗役人には存在しないのである。
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