韓国EV電池メーカー「SK On」社の幹部は、欧州連合(EU)が中国のEV電池に過度に依存するリスクに直面していると警告した。
SK On社のチーフコマーシャルオフィサー(CCO)であるソン・ミンソク氏はフィナンシャル・タイムズ紙に対し、「私と会話している欧州各国の政府関係者は『リスク回避』の話をしている」と語った。
「 国によって考え方もアプローチも違う。ひとつだけ一致しているのは、現状をそのまま放置してはいけないということだ」
UBSグループのアナリストは、中国での供給過剰の中、欧州の自動車メーカーは安価な中国製電池の輸入を増やすだろうと予測している。2023~2027年の間に、EUにおける中国電池メーカーの市場シェアは30%から50%に増加すると推定している。一方、韓国企業のシェアは60%から40%に低下する。
UBSのアナリスト、ティム・ブッシュ氏は、「欧州はNorthvoltのような経験の浅い地元の新興企業に資金をつぎ込んでいる。韓国のバッテリー企業は、米国の補助金の方が魅力的であるため、欧州での生産能力投資を拡大していない」と述べた。
「その結果、(EV用電池に)需要と供給のギャップが生じ、少なくとも短期的には中国製品によって埋められることになるだろう」とブッシュ氏は指摘した。
EUは昨年、2030年までに欧州のEV用電池の90%を現地生産することを義務付ける法案を可決した。
ソン・ミンソク氏は、生産における欧州諸国との協力が同社の強みであるとし、中国電池メーカーは、製造工程を海外に複製することに関しては、韓国の競合他社ほど上手ではないと指摘した。
さらに、「私たちが得意とするのは、ターゲットとする地域で確固たる地位を築いている電池メーカーであることだ。 私たちは誰とでも協力したい」と自社をアピールした。
SK Onは、EV電池の非中国サプライヤーとしては、韓国のライバルであるLGエナジー・ソリューションと日本のパナソニックに次いで世界第3位で、ハンガリーで2つのメガ工場を運営しており、3つ目の工場を建設中である。
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