世界の電気自動車(EV)の半分以上を生産している中国。多くのEV企業が中国製EVとの生き残りをかけた値下げを余儀なくされ、赤字に直面している。
最近、テスラのサプライヤーである総合モーターメーカーのニデック(旧社名は日本電産)は、通期の営業利益予想を約 20%下方修正した。
中国共産党(中共)の長期補助金に支えられた中国のEV企業は、EVの低価格化と輸出の急成長を実現し、市場の価格メカニズムを脅かしている。
ニデックの創業者である永守重信会長は、決算後のミーティングで「作れば作るほど赤字だ。顧客も競争相手もわれわれも赤字になっている」と語った。
同社は、今四半期に約450億円のリストラ費用を計上し、コストを削減し、不採算受注を制限する必要があると述べた。
他のサプライヤーとの競争に対応するために、製品開発を現地化して利益率の高い技術に注力する必要があると、永守氏は述べた。
ニデックは2024年3月期の連結営業利益予想を2200億円から1800億円に下方修正した。
アップルにも製品を供給しているニデックは、永守氏のリーダーシップの下、積極的な買収によって長年成長を続けてきたが、中国のEV市場における激しい競争の影響を受けて苦戦を強いられている。
また、永守氏が選んだ後継者の関潤氏が2022年に退職したため、リーダーシップの不確実性も重荷となっている。安定した経営陣を欠いていることは、小型EV用モーターや、より利益率の高いデータセンターやサーバー用ハードディスク・ドライブへの転換を遅らせている。
過去1年間で株価が22%下落したニデックは、5月24日までの4か月間に110億円相当の自社株買いを実施すると発表した。
同社の株価は昨年10月、EVとエレクトロニクス市場の低迷により予想を下回る決算を発表し、過去12年間で最も下落した。
ご利用上の不明点は ヘルプセンター にお問い合わせください。