中国米国商会(AmCham China)が2月1日に発表した年次調査「中国ビジネス環境調査」によると、多くの米国企業が中国で利益を上げるのはまだ難しいと考え、地政学的緊張や新たなデータ安全法に懸念を抱いているという。
2023年10月19日から11月10日にかけて、中国米国商会は会員企業343社を対象に調査を実施した。同調査によると、2023年の調査対象企業の19%が、中国での利払前税引前利益(EBIT)が世界の水位よりも高いと回答した。
これは、中共(中国共産党)が厳しい「ゼロコロナ」政策を実施し、企業に大打撃を与えた2022年の12%よりも高い。ただし、2017~21年の数年間、米国企業の22%から26%が、中国でのEBITが他の国よりも高いと述べた。
調査対象となった企業の51%は、収支が赤字、あるいは赤字に直面していると回答した。
在中国米商工会議所のマイケル・ハート会頭は記者団に対し、「会員企業が利益を上げていないのは心配なことだ」と語った。
中国経済はここ数十年で急成長を遂げ、米国に次ぐ世界第2位の経済大国になった。 しかし近年、3年にわたるパンデミック後、不動産市場の低迷や輸出の減少も相まって、中国の経済成長は鈍化し、外資の国外流出が続いている。
成長率の鈍化を受け、中共当局は様々な景気刺激策を発表した。にもかかわらず、その効果は鈍い。
調査対象企業の約半数が、中国はグローバル投資先のトップ3に入ると回答しているが、経済成長の鈍化と地政学的緊張の高まりの中で、米国企業は中国への投資に総じて慎重である。57%の企業が、中国が外国企業に対してさらなる市場開放を進めることに自信を持てず、39%の企業は中国での歓迎度が低いと感じている。
調査によって、4年連続で、米中関係の緊張の高まりが引き続き会員にとっての主要な懸念事項となっていることが判明した。3分の1近くの企業が、2024年の投資を減らす主な理由として、米中経済関係の不透明さを挙げた。特に技術・研究開発部門では、44%の企業が米中関係の不確実性を投資縮小の第一要因として挙げている。
調査対象企業の43%が、2024年に中国への投資を拡大する予定はないと回答し、5%は投資を減らす予定だ。
生産能力を中国国外へ移転することを検討している企業の割合は、以前の8%から、過去2年間で12%に上昇した。
中共商務部が1月に発表したデータによると、中国は2023年に合計1兆1300億元(約22兆5千億円)の外国投資を誘致する見込みで、前年比8%減となる。
在中国ドイツ商工会議所が先週発表した回答者566人を対象とした別の調査によると、ドイツ企業が中国に投資しない、または投資を減らす最大の理由は、市場拡大への期待の低下、または中国の経済成長の減速だった。
調査対象となったドイツ企業の80%以上が、中国経済は下降トレンドに直面しており、中国経済の回復には1~3年かかると予想している。
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