ベルギー政府は3月15日、閣僚、高官、外交官への新たなセキュリティシステムを搭載したスマートフォンおよびコンピューターの提供を発表した。
この措置は、ハッキング、盗聴、通信の傍受を防ぐことを目的としている。司法省は、2019年に中国を訪問した経済貿易代表団が1時間に135回のハッキング攻撃に遭遇した事例を挙げ、情報セキュリティの確保の重要性を強調した。
2019年に中国を訪問したベルギー経済貿易代表団のスマートフォンが、1時間に135回のハッキング攻撃を検知した。訪問団に同行したサイバーセキュリティ専門家のヘールト・バウデワインス氏は、中国でのネットワーク攻撃は予想していたものの、これほどのものとは思ってもいなかったと後に述べた。
バウデワインス氏によれば、攻撃には彼のパソコンにアプリケーションをインストールしようとするものもあり、これにより、ベルギーに帰国後もハッカーが彼のコンピューターを操作し続ける可能性があった。
このサイバーセキュリティ専門家は、北京での滞在中、ホテルの周辺に移動式盗聴装置が設置されており、すべての通信が特定のネットワークシステムを介して行われていることに気づき、警戒を強めたという。
ベルギー司法相は3月15日、長年にわたりベルギーがスパイ活動の標的になっていることを認めた。
ベルギー公共放送のVRTによると、新たなセキュリティシステムを搭載した電子機器は、機密情報が外国勢力や犯罪組織によって傍受されるのを防ぐことを目的としている。これらのセキュリティ技術は、新設されたベルギー・セキュリティ・コミュニケーション(BSC)機関により国内で開発した。
このセキュリティシステムは、機密情報、秘密データ、通信が外国勢力や犯罪組織によって傍受されないよう保護し、インターネットアクセスポイントや非管理サーバーには接続しない設計になっている。
このセキュリティシステムを搭載したノートパソコンやスマートフォンの配布に加え、ベルギー政府は閣僚、外交官、高官向けに、秘密かつ安全なウェブサイトリストを通じて機密ビデオ会議を行うためのサービスも提供する。
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