韓国野党党首「台湾海峡は韓国と関係ない」 親中共発言に保守政党から非難の声

2024/03/26 更新: 2024/03/26

韓国総選挙が2週間後に迫るなか、左派野党「共に民主党」の李在明(イ・ジェミョン)代表が「台湾海峡は我々に関係ない」と発言し、与党から厳しく批判されている。韓国議会は親中共の左派が多数を占めており、総選挙で親米派の与党「国民の力」が逆転できるかが焦点となっている。

一院制の韓国議会(定数300)は4月10日に投開票が行われる。22日、李在明氏は中国人住民の多い忠清南道(チュンチョンナムド)の唐津市を訪れ、選挙遊説を行なった。尹錫悦(ユン・ソンニョル)政権の対中・対日外交を強く批判し、「なぜ台湾海峡の問題に介入するのか。台湾海峡がどうであれ、中国本土と台湾の内政問題は我々と関係あるのか」と発言した。

さらに、「中国人が韓国を嫌って韓国の商品を買わなくなるではないか。なぜ中国(共産党)を刺激するのか」「中国にありがとう、台湾にもありがとうと言っておけば大丈夫だ」と述べた。

このような発言に対し、韓国国内では非難の声が相次いでいる。与党の緊急対策委員長・韓東勳(ハン·ドンフン)氏は「中国(共産党)にこれほどまで頭を下げることで、本当に国益に繋がるのか?軽視されても構わないというシグナルを送っているのではないか」と厳しい意見を発表した。

昨年6月、李在明氏は中国大使館を訪問し、邢海明・駐韓大使と面会した。邢氏は会談で、韓国政府が米国の影響を受けており、台湾問題を含む中共の核心的な利益を尊重していないと批判した。そして、「米国が勝利し、中国が敗北することに賭けるのは誤った判断だ」と述べた。

韓東勳氏は、李在明氏は中国大使に対して「理解しがたいほどの屈服の姿勢」を見せたと批判した。

「尹錫悅政権は、中国(共産党)や他の特定の国に左右されることなく、韓国の国益を最優先に考えて外交を展開している」と韓東勳氏。「世界秩序の中で、正義の側に立たない国はどのどうやって成長できるのか?尹錫悅政権は、外交において必要な発言を行う政府だ」。

常に親中共の政党

韓東勳氏は、与野党間の深い対立を生んでいる様々な「中国問題」を取り上げ、「共に民主党」を批判した。

同氏によると、中共に関連するスパイ行為の厳罰化を推進する法改正や、地方選挙での投票権を制限する公職選挙法の改正法案は、いずれも「共に民主党」の反対により否決となった。

韓東勳氏は、「韓国のスパイ防止法は、敵国として定めている北朝鮮のみを対象としており、中国をはじめとする他国への情報漏洩を罰することができないという問題点がある。共に民主党はスパイ防止法の改正に強く反対している」と述べた。

中国に住む韓国人は投票権を持っていないのに対し、韓国に住む約10万人の中国人が地方選挙で投票する権利を有しており、これは相互主義の原則に違反しているとも指摘。韓東勳氏は、この状況には合理的な根拠も実際のメリットもないため、不合理なこの状況を改めるべきだと主張した。

韓氏は、「共に民主党はこれに反対するだろうが、誰が正しいかは今回の選挙結果で判断されるだろう」と述べた。

呉歓心
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