インフレ、高金利、そして経済全体の不確実性により、最近、多くの人が貴金属に目を向けている。
貴金属への投資は比較的リスクが低く、資産を守るだけでなく、場合によっては資産を増やすことも可能だ。最近の経済の低迷によって、貴金属への関心は日に日に高まり、コストコのような大手小売店でも金塊や銀貨の販売を始めている。
CBSニュースによると、アメリカ経済研究所のシニアエコノミストであるピーター・C・アール氏は、一部の人々は銀を購入する際、それを金の完璧な代替品と見なしている。通常、銀の価格は金の価格に比べると、ほんの一部にすぎないと述べた。
「しかし、異なる市場や経済状況において、金と銀の需要、流動性、そしてパフォーマンスには違いがあり、それらが代替品として似ているとはいえ、完全には同じではない」
CBSが取材した専門家は、どの貴金属が投資に適しているかを判断するアドバイスを提供した。
金塊や金貨が有利なタイミング
通貨のインフレやドルの価値低下が最も懸念される場合、金塊や金貨は銀よりも優れた選択肢となると、一部の専門家は指摘している。
フェニックス・キャピタルの資本市場担当副総裁、マット・ウィラー氏は、「一般的に、金はインフレ対策としてより適したツールである」と述べた。
金は希少性が高く、投資家や各国政府からの需要も強いため、価値が安定している。一方、銀は供給量が多く、様々な工業用途に使われるため、価格の変動が大きい。専門家によると、金はリスクが低い投資とされており、資金運用を慎重に行いたい人には金が適している。
アール氏は「銀の価格は波があるかもしれない。大不況の際には金の価格は上がることもあるが、銀製品や工芸品への需要が落ち込むことで、銀の価格は実際に下がる可能性がある」
保管スペースが限られている、または高額な保管費用を避けたい場合には、金を選ぶ方が良い選択だと考えられる。
USA Pawnの管理パートナーであり、ミシシッピ州質屋協会の会長であるニック・フルトン氏は、「住宅への不法侵入や盗難が増えているため、貴重品は安全に保管することが重要だ」と指摘している。
「例えば銀に比べ、5万ドル相当の金を保管庫に移すほうがはるかに容易だ。市場価格を見ると、現在1オンスの金は85.55オンスの銀と同じ価値になる」と説明した。
銀塊や銀貨が有利なタイミング
金は多くの投資家にとって賢い選択だろうが、銀の価格は金に比べて大幅に低いため、同じ予算でより多くの銀を購入できる。予算の制約がある場合には、銀が適している。
アール氏によると、銀は高いリターンを期待できる可能性があり、経済が好調な時には特に利益が出やすい。
アール氏は、「高速に成長している時には、インフレ率が比較的に低い。産業用途の増加に伴い銀の価格が上昇する」と述べながら、特にインフレ率が低く、地政学的な緊張が少ない場合、金の価格成長は「鈍化」する可能性があるとも指摘している。
銀を使用する製品の需要が急増すると予想される場合、銀への投資を検討するのもよいだろう。
Endeavour Metals Groupの常務取締役、ニコラス・ガネーシュ氏は「金は主にジュエリーに使用されているが、銀はソーラーパネルや医療機器など、グリーンエネルギーや医療分野で不可欠な素材だ」と語った。
金と銀、どちらに投資すべきか
専門家によると、金も銀もそれぞれ特有の利用価値があるが、どちらに投資するべきか迷っている場合は、次のポイントが参考になるだろう。
まずは、投資の目的を明確にしよう。高収益を目指すなら銀の可能性も見逃せない。一方で、物価上昇による資産の目減りを防ぎたいと考えているなら、金が良い選択肢だ。
市場の動向も参考にしたいところだ。Allegiance Goldの共同創業者アレックス・エブカリアン氏は、「供給と需要のバランス、地政学的な出来事、経済の指標などが貴金属の価格に影響を及ぼす」と指摘した。
決断に迷うなら、予算が許せば、両方とも購入しても構わない。
エブカリアン氏は「資産を金と銀に分散投資し、どちらか一方ではなく、両方を検討することを勧める」と提案している。
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