米連邦捜査局(FBI)のレイ長官は18日、テネシー州の大学の公演で、中国共産党とつながりのあるハッカーが米国の重要なインフラに侵入し、「壊滅的な打撃」を与えるタイミングを見計らっていると警告した。
レイ氏はテネシー州のバンダービルト大学での講演で中国共産党が支援するハッカーによる脅威は、もはや地平線の彼方にある問題ではなく「今まさに我々に迫っている」と強調した。
国家情報長官室(ODNI)は昨年、中国共産党政権は2027年までに、中国と台湾の間に迫り来る危機へのアメリカの介入を抑止する能力を構築するのに躍起になっていると評価した。しかし、そのタイムラインは早まったとレイ氏は述べ、中国共産党が支援する巨大なハッキング事業の影響の一部は、今日すでにもたらされていると指摘した。
レイ氏によれば、中国共産党が支援するハッカー「ボルト・タイフーン」は電気通信、エネルギー、水道を含む様々な重要分野の数多くの米国企業に潜り込んでおり、23のパイプライン運営会社を標的にしている。「その計画は、民間のインフラに攻撃を行い、パニックを引き起こすことだ」と述べた。
在ワシントン中国大使館は、米国が「サイバーセキュリティ問題を政治化している」と非難している。
壊滅的な打撃
レイ氏によれば、米国のサイバー情報は、中国共産党が支援するハッカーが米国の石油・ガス会社に対する潜在的なサイバー攻撃のために事前に配置されていることを、2011年の時点で認識していたという。
FBIや他の機関がこの増大する脅威に何年も対抗してきたにもかかわらず、中国が支援するハッカー集団は増加し、中国共産党の軍や情報機関が人工知能を利用し、その活動を強化するようになってきた、と同氏は付け加えた。
「FBIのサイバー捜査官や情報分析官が中国共産党の脅威のみに焦点を当てたとしても、党のハッカーはFBIのサイバーセキュリティ専門家の数を少なくとも50対1で上回るだろう」
中国共産党が支援するサイバー攻撃の多くは、米国に経済的に有利に立つための知的財産窃盗に焦点を当てていたが、中国と台湾の緊張が高まるにつれ、中国共産党政府は現在、米国の重要なインフラに実害を与えるものとして位置づけていると警告した。
レイ氏によれば、ボルト・タイフーンは米ネットワークに潜伏し、セキュリティツールやOSに組み込まれた既存の機能などを悪用する環境寄生型(LotL)攻撃と呼ばれる手口を使っている。
「これらすべては、中国(共産党)政府が壊滅的な打撃を与えるタイミングを待つ能力を与えることを目的としている」と述べ、民間企業はより警戒を強め、ネットワークを強化する必要がある、とレイ氏は訴えた。
「アメリカが直面している中国やその他の国からの脅威は、計り知れない。われわれの生活様式、場合によってはわれわれの生命そのものを守る必要がある」
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