米英豪3カ国による安全保障枠組み「AUKUS(オーカス)」が、日本以外の国々とも協力を拡大する方針であることが分かった。米国務省のジェンキンス軍備管理・国際安全保障担当次官が24日、ワシントンで記者団に明らかにした。
ジェンキンス次官は、AUKUSの第2の柱である先端技術分野での協力について、「日本以外の国々とも年内に協議を行う」と述べた。具体的な国名には言及しなかったが、カナダとニュージーランドが参加に意欲を示しているという。中国共産党への対抗措置として、協力の輪を広げる狙いがあるとみられる。
一方で、ジェンキンス次官は「周辺国の軍拡への懸念に配慮し、慎重に進めることが重要だ」と強調。日本との協力開始時期については「まだ決まっていない」と述べた。
AUKUSの第1の柱である原子力潜水艦の開発・配備については、今後も米英豪3カ国に限定し、他国との協力は行わない方針を改めて示した。
米英豪は8日の共同声明で、AUKUSの第2の柱に位置づけられる極超音速兵器や人工知能(AI)の共同開発に関し、「日本との協力を模索している」と発表。岸田文雄首相と米国のバイデン大統領も10日の会談で、協力を進めていくことを確認していた。
AUKUSは2021年9月に発足した枠組みで、中国の軍事的台頭に対抗するため、オーストラリアへの原子力潜水艦の提供や先端技術の共同開発を柱としている。日本に続き、同盟国との協力を拡大することで、インド太平洋地域での安全保障体制の強化を狙う。
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