広西自治区の南寧市で、激しい降雨により多くの市街地が水没し、車両が流されるという被害が出た。しかし、住民たちはこの水害が単なる自然災害ではなく、市内の排水設備の不備と、それに関連する工事の不正行為が原因だと声を上げている。
5月8日から9日にかけての24時間に及ぶ集中豪雨で、南寧市内の多くの地域が浸水。マンホールからは水が噴出し、電動バイクが流され、車が水面に浮かぶという深刻な状況に陥った。
この件に関して、南寧市の市民、闕さんは新唐人テレビに、問題は排水システムの不備が原因であると述べた。
南寧市の闕氏:「道路や大通りが水で溢れ、低地はすべて水没した。バイクや電動車が多く流された。問題の根本は排水システムの不備にある。これは以前から指摘されていた問題だ。私たちは表面的な問題には目を向けることが多いが、実は地下のインフラに対する注意が不足しているのではないだろうか」
南寧市の市民、李さんも、洪水の規模は大きくないが、これは実質的には内水氾濫であり、下水道工事の手抜きが原因だと述べている。
南寧市の市民、李さん:「南寧の市街地が浸水しているが、洪水の規模は大きくはない。車が流されたり、人々が危険に晒されたりする場面もあったが、その後救助されている。これは市街地の排水設備の問題だ。どの都市でも、大雨が降ると、下水道が基準に達していないために同様の問題が発生する。河の水位が上がったわけではなく、大雨により市街地の水が速やかに排水されずに浸水してしまうのだ。これは施工の手抜きが原因だ。内水氾濫は珍しいことではなく、改修を繰り返しても問題は未だに解決していない」
李さんはさらに、広東省梅州の高速道路が崩壊した事故を例に挙げ、中国で広く見られる手抜き工事の問題を指摘した。
李さん:「この広東の高速道路をみれば、まさに典型的な手抜き工事の例だとわかる。多数の命が失われ、車両が次々と転落した。本来ならば、高架橋を建設すべきだったのだ。そうしていれば、たとえ崩壊があったとしても、このような問題は生じなかっただろう。しかし、高架橋の建設には費用がかかるが、それでも調べてみると、実際にかかったコストは高架橋を建設するのに必要な費用とほぼ同じだった。結局のところ、複数の下請け業者による仕事の外注化が行われ、工事の手抜きや材料の削減が繰り返されたのだ」
5月1日の未明2時頃、広東省梅州の高速道路が突然崩壊した。公式の発表によれば、この事故で23台の車が巻き込まれ、48人が死亡し、30人が負傷したとのことだ。しかし、公式発表の死傷者数に疑問を持つ声もあり、実際はもっと多いのではないかという懸念が出ている。
ご利用上の不明点は ヘルプセンター にお問い合わせください。