中国河南省洛陽市で7月1日、連日の豪雨が下水道の詰まりを引き起こし、観光地・應天門(おうてんもん)周辺が「金色の泥(糞便)」に覆われる異常事態が発生した。
九つの王朝が都を置いた歴史の街・洛陽が、大雨で「黄金の戦場」に……観光地が糞水(排泄物を含む水)に覆われ、中国の排水問題が露呈。
SNSには「街が黄金の戦場と化した」とする映像が続々と投稿され、ぬかるんだ糞泥に足を取られて転倒した人々が、「黄土軍の兵士」さながらの姿で泥まみれ(糞まみれ)になりながら立ち上がる様子を映し出した。
現地報道によると、大雨によって排水が追いつかず、多くのマンホールから糞便が逆流、汚物が勢いよく噴き出した。
通行人が次々と滑って転倒するなか、周辺の飲食店は悪臭と足場の悪さで一時営業停止を余儀なくされ、2日朝も街は人通りが途絶えたままだった。
さらに、中心部の路面が崩壊し、大きな陥没穴まで出現した。専門家は「これは自然災害ではなく、明らかな人災だ」と断言する。もともと欠陥のある排水インフラに、手抜き工事と維持の怠りが重なり、中国各地で同様の災害が繰り返されているのは、制度の必然とも言える。
都市の顔を飾るのは歴史ある楼閣ではなく、見て見ぬふりを続けた「下水の代償」──洛陽の「黄金」伝説は、今や笑えぬ現実である。
(現地の様子)
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