中国での新型コロナウイルスの流行は、一時も収束したことがない。最近、感染力がより強いとされる新型コロナウイルスの変異株「KP.2」が拡散し、中国共産党(中共)政府は、広東省がこの状況を抑えきれなくなったと初めて公表した。
中共国家衛生健康委員会は5月14日の報告で、3月11日に広東省でKP.2変異株が初めて確認されたことを明らかにした。5月12日までの報告では、KP.2の感染例が25件に上るとされている。しかし、中共政府が感染状況を隠している疑いがあるため、実際の感染者数は公表されている数字よりも多い可能性が高い。
時事評論家の李林一氏は、
「中共政府の発表する数字を見ると、実際には感染状況を隠していることが伺える。実際の感染者数は公表されている数字よりも遥かに多く、隠しきれないと考えているようだ。その理由は、中共政府が現在、ウイルス検査をほとんど行っていないからだ」と述べた。
また、南方医科大学公衆衛生学院の生物安全研究センター主任の趙衛(ちょうえい)氏は、新たな変異株の出現は、新型コロナウイルスがまだ終息しておらず、変異を続けていることを示唆していると指摘した。
時事評論家によると、「中共政府は、発言する専門家やその内容を慎重に選定している。感染に関する情報は隠し切れない状況にあり、多数の死者が出ているため、政府はその事実を認めるための何らかの言い訳を探しているようだ」という。
2022年の12月、感染は急速に広がり、北京、上海、武漢、広州などの主要都市で感染者が激増した。政府は新型コロナウイルスの検査を停止し、病院が新型コロナウイルスの診断証明を出すことさえも禁止した。
昨年後半から、中国各地で新型コロナウイルスの感染が深刻化し、子供や若者も感染から逃れられなくなった。多くの病院で患者が急増し、死亡率が上昇、さらには突然死が頻発している。
湖北省荊州市の熊さんは「突然死の件数が、コロナ流行前と比較して、少なくとも10倍になった。私の知人だけでも4、5人が亡くなった。50代で健康だった人たちが、突然亡くなるという事態が起きている」と話した。
チチハルのある村民、張さんは「亡くなる人があまりにも多い。倒れている人を何人も見た」と語った。
中国の市民が新唐人に語ったところによると、周辺の多くの人々が、何度も新型コロナウイルスに感染しており、自宅で陽性反応が出ても、病院ではただの風邪として処理されているそうだ。死亡者が増えているため、新しい葬儀場の建設が進められている。
江西省の王さんは「年齢や性別に関係なく、多くの人が亡くなっている。葬儀場では火葬の処理が追いつかず、新たな施設の建設が必要になっている」と述べた。
張さんはさらに、「春の初め、3月か4月に友人の家族の高齢者が亡くなった時、火葬場に行ったら、多数の死者がおり、中には若い人もいた」と話した。
現在、KP.2と呼ばれる新型コロナウイルスの変異株が中国で広がっており、これはオミクロンJN.1の第3世代のサブラインで、感染力が非常に強いと言われている。5月3日にはWHOがKP.2を「注視すべき変異株」と指定した。中国の市民は、状況がさらに悪化することを懸念している。
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