中共(中国共産党)の財政部は、今週より総額1兆元(約21兆5千億円)に及ぶ「超長期」特別国債の発行を開始すると発表した。これらの国債は財政赤字には計上されず、専門家の間では債務の安全性に対する疑問が提起されており、債務危機がさらに深刻化する可能性があるとの見方が出ている。
中共財政部は5月13日、20年満期の国債が3千億元、30年満期が6千億元、50年満期が千億元となるよう、合わせて1兆元の超長期特別国債を年内に発行する計画を明らかにした。
5月17日には、最初の400億元分の30年満期特別国債の発行が予定されている。
「中国が超長期国債を発行する背後には、新型コロナウイルスの影響からの経済回復が予想を下回っている現状がある。国内需要の不足と民間投資の低迷が続いている」
中国人民銀行が発表した最新のデータによると、4月に新たに社会に供給された融資額は1987億元減少し、例外的なマイナス成長を記録した。また、新規に銀行からの貸し出しが行われた金額も、市場予想を下回る結果となっている。分析によれば、中共政府は国債を発行して、投資と消費を促進しようとしているが、データの信頼性に疑問が投げかけられており、実際の経済状況は、公表されている情報よりも厳しいとの見方が強まっている。
報道によると、今年発行される予定の超長期特別国債は、財政赤字の計算には含まれず、また、返済には財政資金が使用されないという。この特別国債は、国の重要戦略の実施や、重要分野の安全性向上に特化して使用される予定だ。北京会計学院の副院長である李旭紅氏によると、これには科学技術のイノベーション、都市と農村の一体化発展、食糧の安全保障、エネルギーの安全確保などが含まれているとのことだ。
「特別債は本来、プロジェクトからの収益によって返済されるべきだが、実際には多くの低品質なプロジェクトが含まれており、収益を期待することは難しい。結果として、自己返済は不可能であり、最終的には大きな負債の問題を抱えることになる」
さらに王赫氏は、地方政府の負債が増加している状況において、中共が特別国債を発行して地方の負債の重圧を軽減しようとしていると分析している。
「予算管理の外にあるため、政府債務の安全性が疑われている。これが、中国の債務問題を解決するどころか、さらに悪化させる可能性がある.
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