中国 この国の権威は地に落ち、隠しても隠しても、その邪悪の本性を隠せなくなった。

まもなく「天安門事件」35年周年 バス車内で警察が市民の携帯電話を検査=中国

2024/05/30 更新: 2024/05/30

今年も、中国当局にとって最もセンシティブ(敏感)な日「6月4日」が近づいてくる。

1989年6月4日、「六四天安門事件」として、歴史に名が刻まれたその日は、日曜日であった。前日3日夜から4日にかけて、天安門広場を中心とする北京市内では、民主化を求める学生や市民に対して、中国人民解放軍が実弾を発砲、また戦車で人をひき潰すなど、流血の大弾圧が行われた。

35年が経つ今日も、中国当局は天安門事件に関連する話題をネット上で血眼になって監視し、国内外で犠牲者を追悼する活動を阻止しようと躍起になっている。

1989年6月、天安門広場に続く北京市内の路上で、武力弾圧を思いとどまらせるため、兵士に説得する人たち (大紀元資料室)

各地で監視強化

「6月4日」が迫るなか、中国各地において恒例の「安定維持」がすでに開始され、街中でパトロールを強化、警察は路線バスの中まで乗り込んできて手当たり次第に市民の携帯電話を検査してる。

普段から当局に目を付けられている人権活動家や反体制派といった「監視対象」は監視強化され、あるいは「被旅行」させられている。

「被旅行」とは当局がその「監視対象」に面倒を起こさせないよう、北京などの敏感な地点から遠ざけるために「他の場所への旅行を強制すること」である。

著名な人権弁護士である浦志強氏や反体制派アーティスト季風氏はすでに「被旅行」させられている。

北京在住の楊さんは28日、エポックタイムズの取材に対し、「今年、中共(中国共産党)当局は海外で開かれる天安門事件の記念イベントに参加するために出国する人々への取締りを強化している」と明かした。

また、「知人の北京理工大学の学生は過去に(当局にとって都合の悪い)不適切な発言をしたことがあり、SNSアカウントを封鎖された」という。

「北京市の街中で機動隊によるパトロールが増え、最近では路線バスにまで警察が乗り込んで恣意的に市民の携帯電話を検査することが多くある」と楊さんはいう。

路線バス車内で市民の携帯電話をチェックする北京の警察(SNSより)

 

北京に限らず、河北省でも緊張した雰囲気に包まれている。

27日、エポックタイムズの取材に応じた河北省市民によると、「いま街中に電気警棒を持ったパトロール隊が監視して回り、街のあらゆる所で身分証の検査を求めている」

ラジオ・フリー・アジア(RFA)の取材に対し、上海在住の人権活動家、沈豔秋氏は「一見平常時と何ら変わりないように見えても、実は監視を強めている。これが今の当局のやり方だ」と指摘した。

「天安門事件」35年周年を控える北京市でパトロールする機動隊(SNSより)

 

関連記事

34年前「六四」を経験した武装警察隊員が語る悔恨 「私は人民に対して罪を犯した」(こちらをクリック

【インフォグラフィック】中国共産党、血塗られた虐殺の歴史(こちらをクリック

李凌
エポックタイムズ記者。主に中国関連報道を担当。大学では経済学を専攻。カウンセラー育成学校で心理カウンセリングも学んだ。中国の真実の姿を伝えます!
関連特集: 中国