豪州の国防大臣が6月1日、「国際社会は中共(中国共産党)の戦略的行動に目を向けるべきだ」と警告を発した。また、カナダの国防大臣は、中共が行うカナダに対するスパイ行為や選挙干渉、中国系コミュニティ内での影響力の拡大などを、受け入れることはできないと中国に通告した。
シンガポールで開催された(5月31日から6月2日)アジア安全保障会議(通称シャングリラ会合)において、豪州の国防大臣は「各国は隣国の主権と国際法を尊重すべきであり、それがなければ地域の安定と持続可能な秩序は保たれない」と力説した。
豪州副首相兼国防大臣のリチャード・マールズ氏は、
「中共の戦略的な動きとその兆候に警戒を怠らないように」と述べた。
シャングリラ会合は、アジアで最も重要な安全保障に関する会議の一つとされ、世界中から国防関係者や政府の首脳、外交官が集まる重要な場だ。
カナダの国防大臣であるブレア氏は、中共のカナダにおける選挙介入、スパイ活動、中国系コミュニティ内への影響力拡大に対する懸念を中国に伝えた。
ブレア氏は次のように述べている。「中共によるさまざまな外国干渉の手法に対して、私たちは懸念を抱いている。これには、我が国の政治システムや選挙プロセスへの干渉、カナダに住む中国系コミュニティや市民に対する影響力の行使が、含まれている。私たちは、彼らの安全を守る義務があり、その責任を果たすことを約束する。私は、はっきりと伝えたが、こうした外国の行為は、カナダでは受け入れられず、我々は適切に対処する予定だ」
米国の国防長官、オースティン氏はシャングリラ会合でのスピーチで、「アジア太平洋地域の緊張が高まっている現状にも関わらず、中国との戦争は必然的なものではなく、また避けられないものでもない」と述べ、誤解や誤判断を避けることの重要性を強調した。
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