中国共産党やロシアによるサイバー攻撃の脅威が高まるなか、世界経済フォーラム(WEF)が数年前に発した警告が再び注目を浴びている。WEFの代表であるクラウス・シュワブ氏は、高度なコンピューターウイルスによる「デジタルパンデミック」について警告を発しており、ウイルスの拡散を防ぐには脆弱なデバイスをインターネットから切り離す必要があると指摘した。
クラウス・シュワブ氏は、2020年のCyber Polygonイベントで次のように警告した。
「総合的なサイバー攻撃は電力供給、交通、病院サービス、社会全体を完全に停止させる。COVID-19の危機はこれに比べれば小さな混乱に過ぎない」
この警告は数年前に発せられたものだが、2023年1月にもWEFは同様の世界規模のサイバー攻撃のリスクについて警告する報告書を発表した。特に注目すべきは、AIによって駆動されるコンピュータウイルスの脅威だ。
AIウイルスは自己複製し、隠れ、環境に適応する能力を持つ。そのため、従来のコンピュータウイルスよりもはるかに捕捉しにくく、除去しにくいとされている。さらに、AIウイルスは人間の試みを予測し、迅速に対応することができる可能性がある。これにより、ウイルスは感染したシステム内で静かに潜伏し、必要な時に攻撃を仕掛けることができる。
エポックタイムズのシニアレポーターであるジョシュア・フィリップ氏は自身の番組で、中国共産党による超限戦計画の一つである「Assassin’s Mace」計画に言及した。従来の戦力のみならず、戦争時には米国の電力や水道、ガス、交通システムといった重要インフラをダウンさせることで、混乱を引き起こす狙いがある。
米ワシントンポスト紙の2023年12月11日の報道によると、中国人民解放軍(CCP)と関係のあるハッカーらは、過去1年間で約24の重要インフラのコンピューターシステムに侵入したという。
フィリップ氏は戦時のシナリオとして、中国共産党のハッカーが水道管理システムに侵入した場合を想定した。ウイルスに感染した浄水処理プラントで水道水に過剰な塩素を添加することで、水を毒化することができるのだ。また、列車システムやスマートシティの交通信号システムに侵入すれば、列車事故や交通事故を引き起こすことが可能である。さらに、緊急通報システムに侵入し、偽の通報を行うことも可能だ。
こうした脅威に対して、WEFはインターネット接続を遮断することでウイルスの拡散を防ぐ方法を提案した。シュワブ氏は、「デジタルパンデミックの拡散を防ぐ唯一の方法は、脆弱なデバイスを相互に、そしてインターネットから完全に切り離すことだ」と述べた。
サイバー攻撃の脅威に対処するためには、各国や企業が協力して防御策を強化する必要がある。インフラのセキュリティを向上させ、AIウイルスなどの新たなリスクに対応できる体制を整えることが急務だ。
ご利用上の不明点は ヘルプセンター にお問い合わせください。