6月21日午後3時時点で、中国南部・広東省梅州市を襲った洪水により、少なくとも38人が死亡、2人が行方不明になったと報じられている。毎回のことだが、中国当局が出す公式データを、そのまま鵜呑みにしてはならない。
当局は災害が起きるたびに一貫して、被害情報の隠蔽を行っているため、今回の災害による実際の死傷者数や被害状況は、公式発表をはるかに上回る可能性がある。
また、今回の洪水に関しては、
「予告なしのダム放流だった」
「真夜中に放流した。それも避難通知が来たのは、その30分前だった」
と多くの被災民が口をそろえる。つまり、洪水の背後には、天災だけでなく、人災の要素もあった可能性が非常に高いということだ。
そんななか、深刻な洪水被害を被った梅州市の町(平遠県)を襲った洪水の様子を、ある家の監視カメラ映像が記録していた。
そこには、その家の庭が「いかにして」水に飲み込まれていったのか、経過時間付きで記録された映像がある。「増水の速さ」に、見る人は衝撃を覚えざるを得ない。
(監視カメラが捉えた16日の広東省梅州市を襲った洪水の様子)
この映像が撮影された16日、現地のダム「黄田村黄田水庫」は突然、放流を行った。
地元民のもとに「避難勧告」が届いたのは午後3時だった。しかしその時、村は最深部で2メートルの深さはある水の底に沈んでいたという。
この日、「当局から2つのダムから放流されるという知らせが届いたが、しかし村民の避難は間に合わず、多くの人が立ち往生になっている」「わずか5分の間に20センチも増水した」など、現地村民はSNSを通じてSOSを発信していた。
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