【北京】カナダ外交部は週末に声明を発表し、駐北京カナダ大使のジェニファー・メイ(Jennifer May)氏が先週新疆ウイグル地区を訪問し、現地の指導者に対して、中国共産党による人権侵害についての懸念を直接表明したと発表した。この訪問に対し、中国は反論している。
国連人権事務担当者は2022年の報告書で、中国共産党の新疆ウイグル族に対する扱いが「人道に対する罪」に相当する可能性があると述べている。カナダ外交部によると、メイ大使は6月19~22日にかけて新疆を訪問し、カナダ特使としては10年ぶりの訪問となった。声明には、「この訪問は、新疆の指導者に、カナダの人権状況に対する懸念を直接伝える機会となった」と記されている。
メイ大使は、国連専門家の報告を含む新疆でのウイグル族やその他のムスリム少数民族に対する組織的な人権侵害の信頼できる報告について、懸念を表明した。これに対し、中国は6月24日(月)に反論し、カナダの主張を「陳腐な主張」として非難した。
ロイター通信への電子メールでの回答で、在カナダ中国大使館は「カナダが他国の人権状況について無根拠なコメントをしている」と非難した。
メイ大使の訪問は、カナダが中国に対し選挙への干渉を警告した数週間後に行われた。4月には、カナダのジャスティン・トルドー首相が、北京が最近の2回の全国選挙に干渉しようとしたと述べたが、中国はこれを否定している。
6月22日(土)、人権団体は国連人権高等弁務官のフォルカー・トゥルク(Volker Turk)氏に対し、ウイグル族やその他のムスリムに対する虐待行為の記録に基づき、さらなる行動を求めた。カナダ外交部は声明で、メイ大使が、国連の独立専門家として、中国の全地域に無制限にアクセスすることを中国に求めるカナダの呼びかけを、再確認したと述べた。
アメリカと同様に、カナダも新疆での人権侵害に関与した個人や団体に対して制裁を実施している。
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