日本経済 2か月ぶりに前月比低下

5月第3次産業活動指数発表、特徴は「連休でも節約志向」=経産省

2024/07/16 更新: 2024/07/16

17日、経済産業省は5月の第3次産業活動指数を発表した。活動指数は、指数値101.6で、「運輸業,郵便業」、「生活娯楽関連サービス」などの業種が低下したことから、全体として前月比マイナス0.4%と、2か月ぶりの低下となった。5月の基調判断は、「一進一退」に据え置きとなった。

これまでのサービス産業活動は、1月は、卸売業等が低下したことなどを受けて、全体として低下。2月は、堅調な財・サービス消費などを受けて、「運輸業,郵便業」や「金融業,保険業」を始めとして多くの業種が上昇したことなどから、全体として上昇。3月は、「運輸業,郵便業」を中心に多くの業種が低下したことから、全体として低下していた。

こうした中、4月は、「運輸業,郵便業」を中心に多くの業種が上昇したことから、全体として上昇。そして、5月は、「運輸業,郵便業」、「生活娯楽関連サービス」などの業種が低下したことから、全体として低下した。

業種ごとの動向

11業種中、前月比で6業種が低下、4業種が上昇、1業種が横ばいとなった。「運輸業,郵便業」、「生活娯楽関連サービス」などの業種が低下したことから、全体として低下した。

「運輸業,郵便業」は、前月比マイナス3.9%と、2か月ぶりの低下。内訳業種では、道路貨物運送業等が低下に寄与した。道路貨物運送業については、大きく上昇した4月からの反動もあるものと考えられるが、鉄道業や航空運輸業など旅客の運送に関わる業種でも低下が見られた。また、「生活娯楽関連サービス」も、前月比マイナス3.0%と2か月ぶりの低下となった。

内訳業種では宿泊業や娯楽業等が低下に寄与したが、飲食店、飲食サービス業は前月から上昇した。

このように、5月の第3次産業活動の主な特徴は、5月は大型連休があったにも関わらず、足下の物価高に伴う家計の節約志向を反映して、旅行などを控えるといった動きが見られたことだ。

 

『対個人/対事業所サービス』の動向

サービス産業活動指数は、大きく「広義対個人サービス(以下対個人サービス)」と「広義対事業所サービス(以下対事業所サービス)」に分けることができる。

5月は、対個人サービスが、指数値101.4、前月比0.3%と上昇、対事業所サービスが、指数値101.5、同マイナス0.7%と低下した。

 

『製造業/非製造業依存型事業所向けサービス』の動向

対事業所サービスは、製造業の取引先が多いか、そうでないかによって、「製造業依存型」と「非製造業依存型」に分けることができ、それぞれの指数を計算している。

5月は、製造業依存型事業所向けサービスが前月比マイナス0.9%、非製造業依存型事業所向けサービスが同マイナス0.6%となり、ともに低下した。

 

『非選択的/し好的個人向けサービス』の動向

対個人サービスは、生活必需的な性質で変動が相対的に少ないと考えられる「非選択的サービス」と、選択性が高く所得環境や経済情勢等の影響を受けやすいと考えられる「し好的サービス」に分けられ、それぞれの指数を計算している。

5月は、非選択的サービスが前月比マイナス0.9%、し好的サービスが同マイナス0.2%となり、ともに低下した。

 

5月時点の基調判断は、「一進一退」に据え置き

サービス産業活動指数の5月の基調判断は、「一進一退」に据え置きとなった。

2024年1月は前月比マイナス0.8%の低下、2月は同2.1%の上昇、3月は同マイナス2.5%の低下、4月は同2.2%の上昇、今回の5月が同マイナス0.4%の低下となっており、均してみると、引き続き一進一退の状態にあるとの判断だ。

経済産業省では、今後は、物価上昇による取引量への影響などについて、注視していくという。

エポックタイムズ記者。東京を拠点に活動。政治、経済、社会を担当。
関連特集: 日本経済