米国務省は6月26日に発表した「信仰の自由に関する国際報告書」で、上海市の法輪功学習者である何氷鋼氏と張軼博氏が、中共のインターネット検閲を突破するソフトウェアの開発に関与したとして中共(中国共産党)により厳罰を受けた事例を取り上げている。
元北京弁護士の頼建平氏は、大紀元に対し、何氏と張氏への判決は中共の「根拠のない罪で中国の市民を陥れる」ものであり、中共が築いたネット検閲システム「防火長城(グレート・ファイアウォール)」は「違法で違憲」であると述べた
米国務省の報告内容
米国務省の報告によれば、法輪大法情報センターの情報を基に、中共当局は6月12日、法輪功学習者である何氷鋼氏とその婚約者、張軼博氏に対し、検閲回避ソフトの開発および維持に関与したとして、それぞれ6年と5年の懲役刑を言い渡した。
明慧ネットの報告によると、法輪功学習者は「oGate(網門)」というソフトを開発し、中共のインターネット検閲を回避するために使用していた。2021年には、上海市で何氏と張氏、そして全省から法輪功学習者が逮捕された。報告によれば、何氏が拘留されている間、中共当局は彼が弁護士と面会することを許可しなかったという。
中共のネット検閲
中共のネット検閲システム「グレート・ファイアウォール」は、1994年に中国が国際インターネットに接続した後、1996年に発表された「コンピュータ情報ネットワーク国際連接管理暫定規定」によって開始された。この規定により、中国国内のコンピュータネットワークは国際接続に郵電部の国際出入口チャネルを使用しなければならず、他のチャネルを使用することは禁止された。
中共のネット封鎖システムは主に2つの部分から成り立っている。1つは「グレート・ファイアウォール」であり、海外のウェブサイトや情報の遮断を目的としている。もう1つは「金盾」であり、国内の公安部「公共情報ネットワーク監察局」によって管理されるネット警察システムである。
元北京弁護士の頼建平氏は、中共のネット検閲が「違法で違憲」であると述べた。彼は、中共の統治は全面的な独裁に依存しており、その根本的な特性は人民の基本的人権と自由、特に言論の自由を否定することであると指摘した。頼氏は、中共のネット検閲が中国の憲法や「世界人権宣言」、および「市民的及び政治的権利に関する国際規約」に違反していると強調した。
中国憲法第35条は、中国公民に言論、出版、集会、結社、行進、示威の自由を保障している。「世界人権宣言」は基本的人権の普遍的な保護を規定し、「市民的及び政治的権利に関する国際規約」は思想、言論、信仰、報道の自由を保障している。
法輪功と中共の弾圧
法輪功は「真・善・忍」を原則とする佛家修煉法であり、1999年以前には約7千万人が修煉していた。しかし、1999年7月20日、中共の江沢民元総書記は、法輪功学習者の人数が中共党員を超えていたことを理由に弾圧を開始し、法輪功に対する虚偽の情報を広めた。
頼建平氏は、共産党が無神論や共産主義の歪んだ理論で人々の思想を支配しようとしているため、法輪功の「真・善・忍」という宗教信仰が大きな脅威となると述べた。中共は真実を恐れ、自身の誤りや嘘が明るみに出ることを恐れているため、法輪功を弾圧し、真実を隠蔽しようとしていると指摘した。
2005年にハーバード大学のジョン・パルフリー教授が発表した調査報告によれば、中共のグレート・ファイアウォールは法輪功に関する情報を100%遮断している。2010年、グーグルは中共の検閲に耐えられなくなり、中国市場から撤退した。国際調査によれば、中共がグーグルに強制的に遮断させた法輪功関連情報の割合は97%に達していた。
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