[ダッカ 19日 ロイター] – 政府職員採用の優遇枠に反対する学生らの抗議活動が激化しているバングラデシュで19日、テレビのニュースチャンネルの放送が中止された。通信サービスも全国的に混乱している。
抗議活動では今週20人前後が死亡。AFP通信によると、18日の抗議活動で死者は32人に増えた。インド紙エコノミック・タイムズは、バングラデシュ政府が18日夜、秩序維持のため、軍への支援要請を余儀なくされたと報じた。ロイターは事実関係を確認できていない。
政府は18日、事態の沈静化に向け、一部のモバイル通信サービスを遮断したが、現地のロイター記者によると、19日午前には通信の混乱が全国に広がっており、海外からの電話やインターネット経由の電話がつながりにくくなっている。
一部の新聞社のウェブサイトも19日午前の段階で更新されていない。国内では一部の音声通話が可能だが、モバイルデータやブロードバンドのサービスは利用できない状態だ。
ニュースチャンネルと国営放送BTVは放送を中止。娯楽番組の放送は通常通り続いている。首都ダッカの通りは閑散としており、交通量も少ない。
同国では政府職員の採用枠の3割が、1971年のパキスタンからの独立戦争に加わった兵士の家族に割り当てられおり、学生らは優遇枠の廃止を求めている。
政府は2018年に優遇枠を廃止したが、高裁が先月、優遇枠の復活を命じる判決を下した。政府が上訴し、最高裁が高裁の判決を差し止めており、来月7日に審理が予定されている。
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