バングラデシュ暴動 ハシナ首相が辞任、国外に脱出

2024/08/06 更新: 2024/08/06

バングラデシュのシェイク・ハシナ首相が5日、辞任し、国外に脱出した。ロイター通信が複数の関係筋の情報から報じた。

ワケル・ウズ・ザマン陸軍総司令官はテレビ演説で、ハシナ氏が出国し、今後、暫定政権が樹立されると表明。現地報道によると、ハシナ氏は軍用ヘリコプターでインドに向かった。

8月4日、バングラデシュで深刻な衝突が再発し、13人の警察官を含む少なくとも91人が死亡し、多数が負傷した。警察は、首相の辞任を求める数万人のデモ参加者に対し、催涙ガスや閃光手榴弾を使用した。

また、首都ダッカ、北部のボグラ、パブナ、ランプル、西部のマグラ、東部のコミラ、南部のバリサル、フェニなどで死亡事件が報告された。

4日の早朝、抗議者たちは主要な高速道路を封鎖し、学生たちは首相の辞任を求めるデモを計画した。これにより、暴力事件が国全体に広がった。

抗議者たちは税金や公共料金の支払いを拒否し、バングラデシュの出勤日である日曜日には仕事をしないようにと訴えた。オフィス、銀行、工場は開いていたが、ダッカや他の都市で働く人々は通勤に困難をきたしていた。

目撃者によると、パブナの北東部で、抗議者たちとハシナ首相が率いる人民連盟の支持者たちとの間で衝突があり、少なくとも3人が死亡し、50人が負傷したと報告されている。

病院関係者によると、ボグラの北部地区での暴力事件で2人が死亡し、他の9地区で合計20人が犠牲になった。

2024年8月4日、ダッカで警察と抗議者が衝突し、負傷者がダッカ医科大学病院へ搬送された(写真提供:Mahmud ZAMAN OVI/AFP via Getty Images)
2024年8月4日、ボグラでは警察が催涙ガスを使用し、学生の抗議デモを強制的に解散しようとした(写真提供:-/AFP via Getty Images)

首都ダッカで、あるグループが医科大学病院を破壊し、救急車を含む複数の車両に放火した。これに対し、サマンタ・ラルセン保健大臣は「病院への攻撃は決して許されるものではない」と強く非難し、「このような行為は誰もが慎むべきだ」と述べた。

ハシナ首相に対する批判者や人権団体は、政府が抗議活動を抑圧するために不当な武力を使用していると批判している。しかし、首相とその閣僚たちは、これらの主張を否定している。

目撃者によると、ムンシガンジの中心で抗議者、警察、与党支持者が衝突し、通勤中の建築作業員2人が死亡し、30人が負傷した。

ハシナ首相は1月の選挙で4期目の勝利を収めたが、その選挙は主要野党のバングラデシュ国民党が抵抗した。

国家安全会議後、ハシナ首相は「現在、街で抗議しているのは学生ではなく、国の安定を脅かすテロリストたちです。国民に対し、これらのテロリストに断固たる対応を取るよう呼びかけます」と述べた。

バングラデシュ内務省は、現地時間の4日午後6時から、期限未定で全国に夜間外出禁止令を実施すると発表した。また、インターネット接続が遮断され、FacebookやWhatsAppなどのソーシャルメディアの使用も停止されている。これはブロードバンドを通じても同様だ。秩序回復のため、5日から政府機関や銀行を含む民間企業のオフィスも3日間休業することが決定された。

これは、先月から発生した学生主導の抗議活動に対する政府の初めての対応である。

先月、公務員の配分に反対する学生主導のデモが暴力事件に発展し、少なくとも150人が死亡し、数千人が負傷し、約1万人が逮捕された。

最高裁が多くの公務員配分を無効としたことで抗議は一時的に沈静化したが、先週、学生たちは断続的に抗議を再開し、被害者の家族に対して正義を全うするよう求めている。

林南