英、UNRWAへの資金提供を再開

2024/07/20 更新: 2024/07/20

[ロンドン 19日 ロイター] – 英国の労働党新政権は19日、国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)への資金提供を再開すると発表した。ラミー外相が議会で、パレスチナ自治区ガザで数百万人のパレスチナ人に教育、医療、援助を提供しているUNRWAが、審査の改善など「最高水準の中立性」を確保する措置を講じているとして、2100万ポンド(2700万ドル)の資金を新たに提供すると明らかにした。今月初めに政権を握って以降、イスラエルとパレスチナの紛争への対応として、最初の大きな政策変更となる。

イスラエルによるガザ攻撃のきっかけとなった昨年10月のイスラム組織ハマスからの攻撃にUNRWAの職員の一部が関与したとして、英国は資金提供を停止していた。

UNRWAは、ガザ地区の人口の約半分に食糧を供給する支援活動の柱。ラミー氏は、ガザ地区の母親が栄養不足から子供に母乳を与えられないほか、衛生状態も悪化していると説明した上で、「このような大惨事に直面する中、人道支援は道義的に必要だ。英国の支援が現地の民間人に届くようにする取り組みの中心がUNRWAで、他の援助機関では必要な規模の支援を実行できない」と述べた。

労働党は当初、水と電力の遮断を含むイスラエルのガザでの戦術を容認していると受け止められ、批判を受けていた。その後、即時停戦を支持する方向へと党の立場を徐々に修正していた。日本、ドイツ、イタリア、オーストラリア、カナダなどは既に、UNRWAへの資金提供の再開を決めている。

Reuters
関連特集: 中東・アフリカ