法輪功反迫害25年 米シンクタンク・ハドソン研究所で討論

2024/07/21 更新: 2024/07/21

 米大手シンクタンクのハドソン研究所は7月17日午後、25年間に及ぶ中国共産党(中共)による法輪功迫害をテーマに研究会を開催した。同所中国センター所長のマイルズ・ユー(余茂春)氏は、1999年以来の中共による法輪功への迫害は、多くの面で犯罪行為だと述べた。

 司会を務めた、同所宗教自由センター所長のニーナ・シェイ氏は、次のように述べた。

 「今年の7月20日は、中共が法輪功を弾圧してから25年目を数える。北京の統計によると、1999年には7000万から1億人が法輪功を修煉していた。当時の中共党首である江沢民が法輪功を根絶するよう命じ、弾圧政策を実行するための官僚システムを構築した。中共は法輪功を悪魔化し、数十万人が逮捕され、労働教養所に送られた」

 シェイ氏は続けた。「米国務省のデータによると、法輪功学習者は中国の労働教養所収容者の総数の3分の1から2分の1を占める。一部は殴打され、拷問で死亡した。また、多くの人が行方不明となっている。彼らは、政府主導の囚人からの強制的な臓器摘出といった政策の下で殺害されたことが、大量の証拠で明らかになっている」

 「一部の学習者は、いわゆる『転向(思考を変更させる)クラス』で強制的に転向させられた。現在、数千人の学習者が信仰のために投獄されているとの報告がある。ここ数年で、数百人の学習者が監禁中に死亡している。『寒冬(ビター・ウィンター)』誌の報道によると、今年だけでも中国のある女子刑務所で2人の学習者が死亡している」

宗教自由センター所長のニーナ・シェイ氏

前米国務長官の中国政策首席顧問「法輪功迫害は犯罪行為」

 ハドソン研究所・中国センター所長で、マイク・ポンペオ前米国務長官の中国政策首席顧問を務めたマイルズ・ユー(余茂春)氏は、「1999年から続く中共による法輪功への迫害は、多くの面で犯罪行為だ」と述べた。

 「法輪功は、瞑想と気功を組み合わせた精神修養法で、真・善・忍を理念としている。1990年代に中国で広く人気を博した。まさにその人気が中共政権の神経を逆なでしたのである。中共は法輪功の影響力の増大を政権への脅威とみなし、法輪功を根絶するための残酷な迫害を始めた」

 さらにマイルズ・ユー氏は、中共による法輪功への迫害は、信仰の自由という基本的人権を侵害していると指摘。学習者は恣意的に拘束され、拷問を受け、強制労働させられ、多くの人々が裁判なしに投獄されている。また、収監中の学習者が拷問や虐待によって死亡したという多くの報告がある。これらの行為は、世界人権宣言を含む国際人権基準に明白に違反している、と訴えた。

ハドソン研究所中国センター所長で、前米国務長官ポンペオ氏の中国政策首席顧問を務めたマイルズ・ユー(余茂春)氏

 中共政権による法輪功に対する弾圧運動には、広範にわたるプロパガンダと偽情報が含まれる。国家統制下のメディアは虚偽情報を流布し、法輪功学習者を『国家の敵』とみなしている。

 マイルズ・ユー氏は「この系統的な誹謗中傷は憎悪と差別を煽るだけでなく、国際社会に(中共政権の)真の本質を隠すものとなっている」と述べた。

 このほか、人が生きたまま臓器を摘出する行為について言及した。「信頼できる報告と調査によると、(中共は)拘束された法輪功学習者を殺害して臓器を摘出し、それらの臓器を移植用に販売している。この忌まわしい行為は医療倫理と人権を著しく侵害し、人道に対する罪を構成している」

 マイルズ・ユー氏は、中共による法輪功への迫害は、世界において宗教の自由を守れるかどうかの米国の姿勢を示すことになると考えている。

ニューヨークの建築士「母親は3度収監され、拷問で帰らぬ人に」

迫害で亡くなった母親との写真を見つめる、ニューヨーク・ブルックリンの建築家サイモン・チャン氏

 ニューヨーク・ブルックリンの建築家であるサイモン・チャン氏は、討論会で、母親の季雲芝氏が中共当局によって迫害され、65歳で死亡したと語った。

 季雲芝氏は内モンゴル自治区赤峰市巴林左旗の法輪功学習者であった。2001年に不当に労働教養所に送られ、迫害によってほとんど瀕死の状態に陥った。看守は2時間連続で電気棒をあて、意識を失うまで続けた。彼女の顔は焼け、失禁した。チャン氏は「10年後、母は私に首を見せてくれたが、傷跡がまだはっきりと残っていた」と語った。

 チャン氏によると、2008年の北京夏季オリンピック直前、母親は再び不法に労働教養所に送られ、残酷な迫害を受けた。瀕死の状態になってようやく、労働教養所は父親に母親を迎えに来るよう通知したという。

 2022年2月、中国が冬季オリンピックを開催している時、中共当局は季雲芝氏を自宅で拘束した。拘留中、季氏は殴打と虐待を受け、この迫害に抗議して絶食した際には、当局は強制的に食事を与え、何度も平手打ちをした。49日後、季氏は赤峰市の病院で死亡した。チャン氏の父親は妻の死の前日にようやく最後の面会を許可された。

 チャン氏によれば、母親は米国で息子に会うことを希望していたが、中共がパスポートの発行を拒否したため、母親の願いは永遠に実現しなかったと語った。

 法輪大法情報センター副所長の劉寧平博士は、研究会で中共による法輪功迫害の手段について語った。劉氏は「25年の迫害を経てもなお、法輪功は中共迫害の主要な標的である」と述べた。

 劉氏によると、パンデミック期間中、中共による法輪功への迫害は絶え間なくエスカレートし、過去2年間でさらに1700名以上の学習者が有罪判決を受け、最長刑期は15年に及んだという。現在までに5000名以上の学習者が迫害によって死亡したことが確認されており、平均して2日に1人の割合で新たな死亡事例が報告されている。

 神韻芸術団の指揮者「中共は世界中で公演を妨害」

 神韻芸術団のオーケストラ指揮者である陳纓氏は、世界中で公演する神韻芸術団への妨害について語った。

神韻芸術団のオーケストラ指揮者・陳纓氏

 陳纓氏は、神韻は世界最高峰の中国古典舞踊と伝統音楽の芸術団であり、2006年に中共の迫害から逃れた芸術家たちによって米ニューヨークで設立されたと述べた。神韻は中国伝統文化の真髄を示している。神韻は1つの芸術団から急速に8つの芸術団に発展し、毎年世界200以上の都市でツアー公演を行い、100万人以上の観客を動員している。

 陳氏は、神韻が失われつつある中国5000年の正統文化を世界中で披露していると語った。神韻の公演は共産主義以前の中国の輝かしい文化を示しており、美しい中国の姿を届けている。公演では現代中国の状況も描かれており、中共による信仰の自由の抑圧や、法輪功学習者が様々な試練を経てもなお勇気と尊厳を持ち続けている姿を舞台で表している。

 陳氏は、神韻の設立から今日に至るまで、中共による神韻への妨害が続いていると述べた。中共の在外大使館が劇場に圧力をかけて神韻公演をキャンセルさせたり、地元の政府関係者に対して神韻を観に行くのを阻止したりしている。スペインでは、中共大使が公演前に自ら王立劇場を訪れ、嘘を広め、劇場に公演のキャンセルを強要した。にもかかわらず、公演3週間前に、チケットは完売した。このほか、アーティストが搭乗するバスのタイヤが切られたり、複数の爆破予告を受けたりしている。

国境を越える弾圧

 人権問題の独立研究員のサラ・クック氏は、初期の中共による法輪功への弾圧は公然と行われ、主に暴力的な弾圧だったと指摘した。現在、中共の国境を越えた弾圧はより複雑になっており、中共は欧米の新聞やテレビ、SNSを利用してその名誉を攻撃している。最近、SNSに突然新しいアカウントが大量に現れ、法輪功と神韻を攻撃しているという。

 法輪大法情報センター所長のリーバイ・ブラウデ氏も、当初中共の国境を越えた弾圧は暴力的な脅迫を用い、法輪功学習者がニューヨークのチャイナタウンで殴打されたりし、後に、領事館が法輪功のイベント会場を脅したり、政府関係者にデマを流したりしていたと指摘。現在、中共はプロパガンダ戦、情報戦を採用し、ソーシャルメディア上で世論を誘導し、米国の新聞やテレビ、SNS、学術分野などに影響を与えようとしている。

法輪大法情報センター所長のリーバイ・ブラウデ氏

 ブラウデ氏は、中共の高官の中にも法輪功学習者がいると述べ、2週間前に中国の省レベルの公安局の詳細な会議記録を入手したという。その記録には、神韻を攻撃するソーシャルメディア・ユーザーを全力で支援し、デマや嘘を広めさせ、最終的に神韻芸術団を閉鎖することが目標だと書かれていた。

 ブラウデ氏は「中共は、中国ではメディアと法制度を統制できるが、西側ではそれができない。中国の内部文書から、彼らは今、オープンなプラットフォームを使って神韻を攻撃し、偽情報を広め、法輪功のグループ内部に問題を引き起こそうとしている。これは以前には見られなかった状況で、SNSを利用して攻撃を行っている」と述べた。

 ハドソン研究所宗教自由センター所長のニーナ・シェイ氏は、神韻を何度も観たことがあり、最近では今年初めにケネディ・センターで観賞し、非常に素晴らしかったと語った。

 シェイ氏は、米政府は過去四半世紀の中共による法輪功迫害から教訓を学ぶべきだと考えている。中共による法輪功迫害は、中共政権の真の姿を露呈させており、弾圧対象を悪魔化し中傷することで、その残虐な暴力行為を隠ぺいしようとしていると指摘。米国は警戒を怠らず、正義を守るべきであると主張した。

明慧ネットより転載

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