米の民間在庫過去最低 販売が12.4万トン増

2024/07/30 更新: 2024/07/30

農林水産省が30日に発表した6月末時点の主食用民間在庫量(速報値)は156万トンで、統計を取り始めた1999年からの過去最少となった。

6月末の全国の集荷数量は256.6万トンで、前年同月比で14.1万トンの減少が見られた。契約数量は249.4万トンで、前年同月より9.3万トン減少している。しかし、販売数量は前年同月比12.4万トン増の187.0万トンとなっており、販売は順調に推移している。

民間在庫については、出荷業者の在庫が115万トンに減少し、前年同月に比べて38万トンの大幅な減少が確認された。これは出荷・販売段階での計測である。

米穀販売事業者における販売数量は、前年同月比で106.8%となり、特に小売事業者向けが114.1%と好調である一方、中食・外食事業者等向けは97.5%に留まっている。販売価格も小売事業者向けが前年同月比116.1%、中食・外食事業者向けが113.0%と、どちらも上昇している。

坂本哲志農水相によると、令和5年度の主食用米の年間取扱量が5万トン以上の卸売業者の販売量は、前年比で104%と増加しており、前年を上回る販売量を記録している。

26日の記者会見で、坂本農水相は日本の人口は平成20年をピークに減少傾向にあり、今後も人口減少による需要の減少が見込まれるため、現在の需要動向のみをもって、需給が安定しているとは断言できず、今後数年の需要動向を見守る必要があると述べた。

農水省は、引き続き需給動向を注視し、きめ細かな情報提供を通じて需要に応じた生産推進を図る方針だ。

清川茜
エポックタイムズ記者。経済、金融と社会問題について執筆している。大学では日本語と経営学を専攻。
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