山東省聊城市陽谷県の肉牛牧場で、病気の動物に接触したスタッフ5人に、皮膚の異常(皮膚炭疽)が確認され、治療のために隔離されたと中国官製メディアが報じた。
いっぽうで、ネット上に投稿された文書によると、この牧場では炭疽菌の感染拡大により、すでに多くの牛が死亡しており、炭疽に感染した死亡者も出ている。
「牛数十頭病死しているのに隠蔽され、政府が過小報告した」
「病気の牛肉がすでに市場に流出した」
「病院が封鎖された」
「すでに数十例のヒトへの感染症例が見つかっている」
といった情報が中国SNSで飛び交い、
「しばらくの間は牛肉や羊肉を買うな、食うな」
という呼びかけも行われており、市民の不安は広がる一方だ。
現地当局は「ネット情報はデマだ」と噂の払しょくに躍起になっているが、過去のあまりにも多い経験から、
「当局の公信力はゼロ」
と考える市民も多く、当局が「デマを抹消」をすればするほど、それが「真実」である可能性が高まることは、今時の中国人の「常識」になりつつある。
なお、炭疽は炭疽菌がうつることによってかかる病気で、炭疽にかかった動物や炭疽で死亡した動物に接触することによりうつることはあるが、ヒトからヒトへとうつることはない。
ヒトが感染した場合、全く治療を行わなければ死に至ることもある。
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