英首相、移民排斥デモ激化で暴力には厳罰と強調

2024/08/06 更新: 2024/08/06

[ロンドン 5日 ロイター] – 英国で極右支持者らの移民排斥を訴えるデモが激化している問題で、スターマー首相は5日、イスラム系コミュニティーを狙った暴力的な抗議行動に関与した場合、すぐに「全面的な法の裁き」に直面することになると強調した。

一連の騒乱は先週、リバプール近郊で子どもが刃物で襲われ、女児3人が死亡した事件がきっかけ。直後に反移民や反イスラムの団体が、犯人は「入国したばかりの過激なイスラム教徒で情報機関の札付き」といった偽情報を広めたことで、各地で暴動などに発展した。

こうした中でスターマー氏は警察当局などと緊急会合を開いた後で「表面的な動機が何であれ、これは抗議ではなく純粋な暴力だ。われわれはモスクやイスラムのコミュニティーに対する攻撃を決して容認しない」と語った。

警察幹部は、これまでに378人を拘束したと発表。暴力で社会秩序を混乱させた罪には「長い刑期」が科されると警告した。

英国の情勢を受け、オーストラリアとナイジェリアは5日、英国在留の自国民や渡航者に注意するよう勧告した。

一方実業家イーロン・マスク氏は、自身が所有するXで大量の移民と国境開放が英国に混乱をもたらしたとの投稿への反応で「内戦は避けられない」と書き込んだ。スターマー氏の報道官はマスク氏のコメントは「全く正当性がない」と非難した。

カイル科学・イノベーション・技術相は、Xを含むソーシャルメディアの代表と面会し、人種差別や暴力をあおる投稿を禁止する責任があると改めてくぎを刺した。

Reuters
関連特集: 欧州・ロシア